ブログを移転しました
本ブログは https://meaning-of-goodbye.com に移転しました。すべての記事を移管しており、本記事を除く個別ページには自動転送の設定をしています。本文は残していますので、JavaScriptを切ったりして無理やり読むことはできます(何の意味もありませんが)。読み返してちまちま誤字を訂正することなどもあるのですが、以降は移転前の記事には触らないことにします。
実際のところブログ開設の作業は12月頃から進めており、記事の移管や転送の設定などの作業をするのがのびのびになってしまっていただけという感じです。先日すでに、移転後の最初の記事(「白いガーベラの咲く星(乃木坂46・北野日奈子と「アンダー」の現在)」)を公開してもいます。
はてなブログに不満があったというわけではなく、むしろ使いやすくていいなと思ってきたのですが、独自ドメインをとりたいなと思い立って、せっかくならじゃあサーバも借りて自由度の高いWordPressでやろうか、と思いました。そうした方面に知識があるというわけでもさほどなかったので手探りで苦しんだ面もありますが、なんとか形になったかと思います。
あまり多くないながら、はてなブログでの読者の方もいらっしゃいましたし、川村さんや北野さんの記事などでははてなスターをいくつかいただいたりもしました。自分はあまりはてなのサービスを積極的に活用してきたとは言いがたいのですが、そうした出来事は嬉しかったので、そこは少々寂しいでしょうか。
このブログを開設したのは2018年のことで、そのときもTumblrからの移転であったという経緯があります。最初のアンダーライブ九州の記事なんかは、二度の移転を経るということになります。いろいろなことを細く長く書いてきたつもりですが、やっぱり欅坂46の歴史を総ざらいした菅井さんの記事で潮目が変わったようなところがあります。あの記事だけで、はてなブログのこの編集画面と何時間にらめっこしたことでしょう。まだ半年前のことであるというのが不思議な気持ちです。
なんでもないことでも長々と書くのは悪い癖ですね。これからも同じスタンスで書き続けていきたいと思うので、よろしければ引き続きよろしくお願いいたします。
そうして彼女は、欅坂46を終わらせた(菅井友香の“あれから”と、櫻坂46の誕生によせて)
2020年10月13日。この日の「THE LAST LIVE」2日目をもって、欅坂46は櫻坂46として生まれ変わった。7月16日の無観客配信ワンマンライブ「KEYAKIZAKA46 Live Online, but with YOU !」から約3か月。欅坂46はその最後の時間を凜々しく駆け抜け、その5年間の歴史に幕を閉じた。
本稿は、前稿「菅井友香が『真ん中』に立った日(5年間の“欅坂46”によせて)」に続くものとして、欅坂46および菅井友香のこの約3か月の足跡をたどり、前稿とあわせてその歴史を、最後の日についてまで書き終えるものとしたい。すべてを書き切ることができたともできるともいえないだろうし、これからも何かあれば記事を出すかもしれないが、ひとまずは筆者としても、大きなひとつの区切りとする文章とできればと思っている。
※留意点や表記のルールなどについては、前稿と同様である(本稿は全体で約42000字である)。内容としても前稿を多分にふまえているため、あわせてお読みいただけると幸いである(あわせて読むというには少々長すぎるようにも思うが)。
※記事公開日(2020年11月3日)以降の情報については原則として追加しないが、事実関係については脚注で適宜補足し、当該部分は赤字で表記する。また公開から当面の間は、修正や一部書き直しをする可能性が高い。
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【完全版】乃木坂46「ALL MV COLLECTION 2~あの時の彼女たち~」CM使用楽曲まとめ
乃木坂46「ALL MV COLLECTION 2~あの時の彼女たち~」のCMは16種類制作され、2020年8月16日深夜放送「乃木坂工事中」#271から9月13日の#275にかけて順次解禁されていきました(さすがにもう打ち止めと考えてよいかと思います)。#271の時点で8種類解禁されたので、そのときに一度記事にまとめたのですが(→前回の記事)、その後のものも含めて再度まとめ直そう、というのが本稿の趣旨です。
以下、リンク先は公式YouTubeチャンネルのMV(Short Ver.あり)です。
①(卒業生)初回放送:2020年8月16日深夜(#271)
BGM:サヨナラの意味
・ハルジオンが咲く頃
・サヨナラの意味
・Against
・帰り道は遠回りしたくなる
・告白の順番
・時々 思い出してください
・サヨナラの意味(再)
テロップ:「悲しみの先に続く/僕たちの未来」
②(アンダー楽曲)初回放送:2020年8月16日深夜(#271)
BGM:アンダー
・不等号
・シークレットグラフィティー
・ブランコ
・風船は生きている
・My rule
・日常
・三角の空き地
・滑走路
・新しい世界
・~Do my best~じゃ意味はない
テロップ:「今どこにいたって/やるべきことって同じだ」
③(白石麻衣)初回放送:2020年8月16日深夜(#271)
BGM:シンクロニシティ
・急斜面
・オフショアガール
・意外BREAK
・まあいいか?
・インフルエンサー
・のような存在
・シンクロニシティ
テロップ:「言葉を交わしていなくても/心が勝手に共鳴するんだ」
④(齋藤飛鳥)初回放送:2020年8月16日深夜(#271)
BGM:裸足でSummer
・裸足でSummer
・あの教室
・ジコチューで行こう!
・地球が丸いなら
・路面電車の街
・Sing Out!
テロップ:「自分の気持ちは隠したまま/そう君といると/素直になれる」
⑤(3期生)初回放送:2020年8月16日深夜(#271)
BGM:三番目の風
・逃げ水
・未来の答え
・僕の衝動
・トキトキメキメキ
・空扉
・毎日がBrand new day
ナレーション(久保):
「あれから4年。私たちも乃木坂46になりました。
ALL MV COLLECTION2〜あの時の彼女たち〜
9月9日発売」
⑥(4期生)初回放送:2020年8月16日深夜(#271)
BGM:I see...
・夜明けまで強がらなくてもいい
・4番目の光
・図書室の君へ
・しあわせの保護色
・I see...
ナレーション(賀喜):
「同じ制服を着たい。その夢は叶いました。
ALL MV COLLECTION2〜あの時の彼女たち〜
9月9日発売」
⑦ 初回放送:2020年8月16日深夜(#271)
BGM:君に贈る花がない
・ライブ神
・失恋お掃除人
・命の真実 ミュージカル「林檎売りとカメムシ」
・2度目のキスから
・Against
・平行線
・白米様
・君に贈る花がない
ナレーション(秋元):
「12シングル60曲分。およそ6時間を収録。
カップリング楽曲ももちろん、全部入ってます。
ALL MV COLLECTION2〜あの時の彼女たち〜
9月9日発売」
⑧ 初回放送:2020年8月16日深夜(#271)
BGM:キャラバンは眠らない
・ハルジオンが咲く頃
・サヨナラの意味
・シンクロニシティ
・帰り道は遠回りしたくなる
・時々 思い出してください
・心のモノローグ
・女は一人じゃ眠れない
・毎日がBrand new day
・~Do my best~じゃ意味はない
・4番目の光
・ジコチューで行こう!
・まあいいか?
・アナスターシャ
・しあわせの保護色
・I see...
・路面電車の街
ナレーション(飛鳥):
「乃木坂46の好きなところはどこですか。
私は全部です。
ALL MV COLLECTION2〜あの時の彼女たち〜
9月9日発売」
⑨(与田祐希・早口)初回放送:2020年8月23日深夜(#272)
・ハルジオンが咲く頃
・裸足でSummer
・サヨナラの意味
・インフルエンサー
・逃げ水
・いつかできるから今日できる
・シンクロニシティ
・ジコチューで行こう!
・帰り道は遠回りしたくなる
・Sing Out!
・夜明けまで強がらなくてもいい
・しあわせの保護色
セリフ(与田):
「(3回失敗したあと)
ハルジオンが咲く頃・裸足でSummer・サヨナラの意味・
インフルエンサー・逃げ水・いつかできるから今日できる・
シンクロニシティ・ジコチューで行こう!・帰り道は遠回りしたくなる・
Sing Out!・夜明けまで強がらなくてもいい・しあわせの保護色
までのMVぜんぶ。
乃木坂46 ALL MV COLLECTION2〜あの時の彼女たち〜
発売」
⑩(遠藤さくら・「映像編集 近藤さくら子」)初回放送:2020年8月23日深夜(#272)
・裸足でSummer
・いつかできるから今日できる
・ジコチューで行こう!
・帰り道は遠回りしたくなる
(以上はPCの画面への表示)
・三番目の風
・逃げ水
・トキトキメキメキ
・4番目の光
・夜明けまで強がらなくてもいい(2カット)
・毎日がBrand new day
・I see...
セリフ(遠藤):
「(これ編集しといて。)はーい。
えーっと、乃木坂46ミュージックビデオコレクションのCM。
自分乃木坂あんまり知らないんだけどなー。
あー飛鳥ちゃん! 知ってる、この頃若っ!
だいたい5年分、60曲超えかあ。
3期生と4期生も入ってきたんだねえ〜。
えーっと?
乃木坂46 ALL MV COLLECTION 2〜あの時の彼女たち〜
っと。これ永久保存版だな!」
⑪(松村沙友理・UberEATS配達員風)初回放送:2020年8月23日深夜(#272)
・2度目のキスから
・失恋お掃除人
・白米様(2カット)
・意外BREAK
・心のモノローグ
セリフ(松村):
「お待たせしました〜! ご注文の品と、
乃木坂46のミュージックビデオ集お持ちしました!
ぴんぴろ〜、り〜ん!
(堀:え? どうなってるの、は?)
だいたい5年分、60曲超えのミュージックビデオ集です!
あ、この子、かわいい〜。白米 先に頂戴♪
(堀:でもそれ頼んでないです)
えっ、欲しくないの? 欲しくないの?
乃木坂さんの映像、欲しくないの〜?
(堀:は、はあ……)
乃木坂46 ALL MV COLLECTION2
よろしくお願いしま〜す!」
⑫(堀未央奈・引っ越しの荷づくり?)初回放送:2020年8月30日深夜(#273)
BGM:ゆっくりと咲く花
・メイキング:君に贈る花がない
・メイキング:ライブ神
・メイキング:スカウトマン
・メイキング:アナスターシャ
・君に贈る花がない
・ライブ神
・スカウトマン
・アナスターシャ
・ゆっくりと咲く花
ナレーション(堀):
「今すぐには、いらないものかもしれない。
今すぐには、見ないものかもしれない。
だけど、いつかわからない、いつかのために、
持っておきたいんです。
乃木坂46 ALL MV COLLECTION2〜あの時の彼女たち〜
9月9日発売」
⑬(齋藤飛鳥・古書店にて〈Long〉)初回放送:2020年8月30日深夜(#273)
BGM:Sing Out!
・ハルジオンが咲く頃
・サヨナラの意味
・逃げ水
・シンクロニシティ
・帰り道は遠回りしたくなる
・夜明けまで強がらなくてもいい
・しあわせの保護色
セリフ(飛鳥):
「昔聴いてた音楽とか、映像とか見ると、
『試験の最中だったなあ』とか、『あの子と仲良かったなあ』とか、
なんか、思い出しません?
MVって、音楽と映像とがあわさって、そういうの、時々あるんですよね。
タイムマシンみたいなものなのかなって。
まあ、ちょっと大げさですけど。
乃木坂46 ALL MV COLLECTION2 発売」
⑭(齋藤飛鳥・古書店にて〈Short〉)初回放送:2020年9月6日深夜(#274)
BGM:Sing Out!
・インフルエンサー
・シンクロニシティ
・Sing Out!
・しあわせの保護色
ナレーション(飛鳥):
「音楽とか映像とかって、古さとか新しさ、関係ないですよね。
手元に置いておくの、悪くないと思うんですよ、そういうの。
乃木坂46 ALL MV COLLECTION2〜あの時の彼女たち〜
発売」
⑮(白石麻衣)初回放送:2020年9月13日深夜(#275)
BGM:じゃあね。
・急斜面
・裸足でSummer
・オフショアガール
・インフルエンサー
・意外BREAK
・逃げ水
・女は一人じゃ眠れない
・いつかできるから今日できる
・じゃあね。
・まあいいか?
・シンクロニシティ
・心のモノローグ
・のような存在
・夜明けまで強がらなくてもいい
・しあわせの保護色
・じゃあね。(再)
ナレーション(白石):
「しあわせは変わらない毎日にまぎれていて、
少しずつ見えてくるもの。
私の近くにも、いつもありました。でも……
(もうそろそろ行かなくちゃ
描きかけていた絵が 好きだから
泣いてないで 坂を登って
ただ、らしく 歩こう
さよならをありがとう。)
乃木坂46 ALL MV COLLECTION2〜あの時の彼女たち〜
発売中です」
⑯ 初回放送:2020年9月13日深夜(#275)
BGM:Route 246
・メイキング:インフルエンサー(全体練習風景)
・メイキング:インフルエンサー(生田)
・メイキング:シンクロニシティ(久保)
・メイキング:夜明けまで強がらなくてもいい(遠藤)
・メイキング:Sing Out!(飛鳥)
・メイキング:女は一人じゃ眠れない(大園・与田中心)
・メイキング:空扉(梅澤中心)
・メイキング:〜Do my best〜じゃ意味はない(岩本)
・メイキング:毎日がBrand new day(山下)
・メイキング:平行線(大園・与田)
・メイキング:スカウトマン(堀・新内中心)
・メイキング:アナスターシャ(北野、渡辺)
・メイキング:I see...(全体)
・Route 246
ナレーション(飛鳥):
「前作から4年。何をしてきただろう。
何をしてこなかっただろう。
これからの4年、何ができるだろう。
好きな人が増えているかな。
ALL MV COLLECTION2〜あの時の彼女たち〜
発売中」
○MVが制作されているがCMで使われなかった楽曲(14thシングル以降)
・強がる蕾
・釣り堀
・Another Ghost
・つづく
・遥かなるブータン(※1)
・きっかけ(※1)
・ないものねだり(※2)
・世界中の隣人よ
※1:「乃木坂46時間TV」内の企画でMVが制作され、公式YouTubeチャンネルで公開されたのみの楽曲。
※2:楽曲所収の16thシングル「サヨナラの意味」の映像特典としては収録されず、シングル発売の約3か月後に公式YouTubeチャンネルで公開され、3rdアルバム「生まれてから初めて見た夢」初回仕様限定盤 Type-Aの映像特典として収録された。
○BGMでのみ流された楽曲(MVは制作されている)
・アンダー
・キャラバンは眠らない
(まとめ)
CM解禁初日だった2020年8月16日分の8本で網羅的な取り扱いはおおむね終わっていて、バリエーションをつける(+メイキングを入れる)ための後半8本だったような印象を受けます。また、「ゆっくりと咲く花」は情報解禁が遅かったので、それを受け止める形での12本目(ほぼ「2期生」での1本)であったようにも思います。
まったく用いられなかったもののうち、卒業生のソロ曲「強がる蕾」「釣り堀」「つづく」「ないものねだり」、MVとしての成立過程が特殊な「遥かなるブータン」「きっかけ」(および「さゆりんごが咲く頃」)、卒業生を加えた特別編成の「世界中の隣人よ」を特殊事情の楽曲として除くとすると、残るのは「Another Ghost」だけであり、ちょっと惜しいな、と思います(筆者が見逃しているわけではないですよね?)。
重ね重ねですが、映像作品としてどれも好きだったので、こんな形でまとめを作成してみました。乃木中って、けっこう前の回でもリアルタイムで見てきたものは「これ最近じゃね?」と思ってしまうような、色あせないような、時間の感覚が狂うような感じがある気がするのですが、一方でCMにはかなり時代性みたいなものが出るよな、と思います。思い出の1ページのような感じです。
他番組に出稿するものでもないわけで、別に16本もCMを制作する必要は多分ないし(売り上げにそこまで影響は……?)、でもそのなかでこれだけ制作してくださったことにはありがとうという感じですね。思い出を増やしていただいたような感覚です。
欅坂46がいちばん多く披露した楽曲ってどれだと思いますか?
前回の記事(「欅坂46ベストアルバム「永遠より長い一瞬」には、何が収録され、何が収録されていないのか」)で「この楽曲はこのときが初披露」「この楽曲の映像化はこのときが最初で最後」みたいなことをひたすら調べて書きまくったら、だんだんいろんなことが気になり始めて、結局欅坂46の全パフォーマンス(単独ライブ、音楽番組、フェス系、ファッションイベントなど、とにかく人前でやったり放送に乗ったりしたものはぜんぶ)をひとつずつ追って数えることになってしまいました。
Wikipediaには「欅坂46のライブ・パフォーマンスの一覧」という、他のアーティストではあまり見たことのない立て付けの項目があり、また「Livefans」などのセットリスト情報サイトにもていねいに情報がまとめられています。いわゆるまとめサイトにも、特に古株のサイトは結成からの全イベントをおそらく記事にしてきたのだろうというところもあります。しかし、楽曲がパフォーマンスされた回数を集計したようなものは見つかりませんし(どこかにはあるのかもしれませんが)、WikipediaやLivefansにはレギュラー放送の音楽番組についてはまとめられていません(「菅井友香が「真ん中」に立った日(5年間の“欅坂46”によせて)」を書いたときからこれらのページはかなり参考にさせていただきましたが、そこが痛し痒しという感じでした。また、特にWikipediaは当該ページに限らずけっこう粗が目立つという印象です)。
そういうわけで、ぜんぶ列挙して集計してみました、というのがこれです。
ほぼ作業用のシートという感じで、見やすいものではありませんが、ご容赦いただければと思います。「音楽番組・イベント」のシートがかなり大変でした。Wikipediaに文句を言う割に、まあこのデータもどこまで正確か、集計にミスはないかはまったくもって自信がないのですが、筆者としては最善を尽くしたつもりです。
以下はこのシートをもとに、わかったことや見えたものをダラダラと書いていきます。それだけの記事なので、ぶっちゃけシートを見ていただければそれで済みます。
※データはすべて2020年9月30日までの情報をもとに作成しています。10月12-13日の「THE LAST LIVE」、および10月17日放送の「SONGS」をふまえて、後日全体を更新する予定です。更新しました(10月17日)。以後はミスの修正以外では基本的に加筆・修正はしないつもりです。
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欅坂46ベストアルバム「永遠より長い一瞬」には、何が収録され、何が収録されていないのか
2020年10月7日、欅坂46のベストアルバム「永遠より長い一瞬〜あの頃、確かに存在した私たち〜」がリリースされる。グループとして2枚目のアルバムであり、ベストアルバムとしては最初で最後。そしておそらくは、欅坂46名義での最後のリリース作品となる(だいぶ望み薄のように思われるが、MV集のリリースくらいならひょっとするとあり得るかもしれない*1。また、「欅坂46名義でのリリース作品」とはダイレクトには称さないのだとは思うが、ドキュメンタリー映画「僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46」のソフト化は確実にあるとは思われる)。
ベストアルバムであるため、1stシングル以降すべての作品から採録されており、カップリング曲には省かれたものも多い。また、けやき坂46(ひらがなけやき)名義の楽曲は全く収録されていない*2。アルバムでは定番といえる初回仕様限定盤TYPE-AおよびTYPE-B、そして通常盤という3形態での発売であることもあり、何が収録され、何が収録されていないのか一見少しわかりにくい状態となっている。
また、初回仕様限定盤にはBlu-rayが含まれ、ソフト化されていなかった過去のライブ(各年の「ANNIVERSARY LIVE」および各年の全国アリーナツアー)の映像がそれぞれ「Director's Cut Collection」としてあわせて収録される。3年分のライブがTYPE-A(「ANNIVERSARY LIVE」)では119分、TYPE-B(全国アリーナツアー)では67分にまとめられているので、かなりかいつまんだ形である。
そこで本稿では、タイトルに掲げた通り、今回のベストアルバムにおいて「何が収録され、何が収録されていないのか」、そしてその意味づけのようなものをまとめてみようと思う。網羅的で画一的な情報は公式サイトやWikipediaなどに譲るとして、筆者なりに要点をまとめていくような形にしたい。ほとんど自分用のメモのような感じになるが、まあこのブログはいつもだいたいそんなものだ。
執筆の下敷きとするためにGoogleスプレッドシートに情報をまとめたので、せっかくなので公開しておく(→欅坂46・日向坂46(けやき坂46)楽曲一覧)。あくまで作業用なので見た目はあまり整えておらず、うまく整理ができているようにも思わないが、何もせずに忘れ去るのはちょっと惜しい(くらいの時間はかかっている)ので。これを見ながら読んでいただくと、全体像が把握しやすいかもしれない。
※情報は原則として記事公開の2020年9月23日現在のものですが、その後の事象については必要に応じて赤字の脚注で追記します。
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*1:欅坂46の楽曲のうち、現時点でMVが制作されているのは31曲(けやき坂46〈ひらがなけやき〉の楽曲は含まないが、合同の楽曲である「W-KEYAKIZAKAの詩」は含み、この楽曲には2バージョンのMVがあるが1曲と数える)であり、Blu-rayにすると1枚ではおさまらず2枚になってしまうくらいの分量である。Blu-rayにおさめるにあたってきりが悪いのはひとまず措くと、MV集を出せるくらいの分量はあるといえるだろうか。
*2:漢字欅・ひらがなけやき合同の楽曲(「欅&けやき坂組」名義)の「W-KEYAKIZAKAの詩」および「太陽は見上げる人を選ばない」は収録されている。
乃木坂46「ALL MV COLLECTION 2~あの時の彼女たち~」CM使用楽曲まとめ
この記事は古いものです。その後公開されたバージョンも含めて、「完全版」の記事を作成しています。基本的には、こちらをご覧ください。
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・2020年8月16日深夜放送「乃木坂工事中」#271でのCM内における放映順序で記載します。
・リンク先は公式YouTubeチャンネルのMV(Short Ver.あり)です。表題曲や最新曲を中心にフル尺のものもありますが、MV集が出たらShortにしちゃうみたいなことはやってもらいたくないですね(リンクの張り直しが面倒なので)。
①(卒業生)
BGM:サヨナラの意味
・ハルジオンが咲く頃
・サヨナラの意味
・Against
・帰り道は遠回りしたくなる
・告白の順番
・時々 思い出してください
・サヨナラの意味(再)
テロップ:「悲しみの先に続く/僕たちの未来」
②(アンダー楽曲)
BGM:アンダー
・不等号
・シークレットグラフィティー
・ブランコ
・風船は生きている
・My rule
・日常
・三角の空き地
・滑走路
・新しい世界
・~Do my best~じゃ意味はない
テロップ:「今どこにいたって/やるべきことって同じだ」
③(白石麻衣)
BGM:シンクロニシティ
・急斜面
・オフショアガール
・意外BREAK
・まあいいか?
・インフルエンサー
・のような存在
・シンクロニシティ
テロップ:「言葉を交わしていなくても/心が勝手に共鳴するんだ」
④(齋藤飛鳥)
BGM:裸足でSummer
・裸足でSummer
・あの教室
・ジコチューで行こう!
・地球が丸いなら
・路面電車の街
・Sing Out!
テロップ:「自分の気持ちは隠したまま/そう君といると/素直になれる」
⑤(3期生)
BGM:三番目の風
・逃げ水
・未来の答え
・僕の衝動
・トキトキメキメキ
・空扉
・毎日がBrand new day
ナレーション(久保):
「あれから4年。私たちも乃木坂46になりました。
ALL MV COLLECTION2〜あの時の彼女たち〜
9月9日発売」
⑥(4期生)
BGM:I see...
・夜明けまで強がらなくてもいい
・4番目の光
・図書室の君へ
・しあわせの保護色
・I see...
ナレーション(賀喜*1):
「同じ制服を着たい。その夢は叶いました。
ALL MV COLLECTION2〜あの時の彼女たち〜
9月9日発売」
⑦
BGM:君に贈る花がない
・ライブ神
・失恋お掃除人
・命の真実 ミュージカル「林檎売りとカメムシ」
・2度目のキスから
・Against
・平行線
・白米様
・君に贈る花がない
ナレーション(秋元):
「12シングル60曲分。およそ6時間を収録。
カップリング楽曲ももちろん、全部入ってます。
ALL MV COLLECTION2〜あの時の彼女たち〜
9月9日発売」
⑧
BGM:キャラバンは眠らない
・ハルジオンが咲く頃
・サヨナラの意味
・シンクロニシティ
・帰り道は遠回りしたくなる
・時々 思い出してください
・心のモノローグ
・女は一人じゃ眠れない
・毎日がBrand new day
・~Do my best~じゃ意味はない
・4番目の光
・ジコチューで行こう!
・まあいいか?
・アナスターシャ
・しあわせの保護色
・I see...
・路面電車の街
ナレーション(飛鳥):
「乃木坂46の好きなところはどこですか。
私は全部です。
ALL MV COLLECTION2〜あの時の彼女たち〜
9月9日発売」
○MVが制作されているがCMで使われなかった楽曲(14thシングル以降)
・強がる蕾
・釣り堀
・Another Ghost
・いつかできるから今日できる
・スカウトマン
・つづく
・じゃあね。
・遥かなるブータン(※1)
・きっかけ(※1)
・ないものねだり(※2)
・世界中の隣人よ
・Route 246(※3)
※1:「乃木坂46時間TV」内の企画でMVが制作され、公式YouTubeチャンネルで公開されたのみの楽曲。今回のMV集に収録される可能性は高くないと思われる。→収録されるそうです。
※2:楽曲所収の16thシングル「サヨナラの意味」の映像特典としては収録されず、シングル発売の約3か月後に公式YouTubeチャンネルで公開され、3rdアルバム「生まれてから初めて見た夢」初回仕様限定盤 Type-Aの映像特典として収録された。→今回のMV集にも収録されるそうです。
※3:フルバージョンのMVは2020年8月21日現在解禁されていない。リンク先は「Teaser」。
○BGMでのみ流された楽曲(すべてMVは制作されている)
・三番目の風
・アンダー
・キャラバンは眠らない
(所感)
・映像作品として普通に好きです。ソニーのCM好き。
・ここまで追い詰めたんなら全曲ねじ込めたらエモかったのにね。
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*1:あんまり自信がないんですけど合ってますか?
菅井友香が「真ん中」に立った日(5年間の“欅坂46”によせて)
「そしてここで、私たちからみなさまにお伝えしたいことがあります。
私たち欅坂46は、この5年間の歴史に幕を閉じます——」
2020年7月16日、グループとして10か月ぶりのライブの場となった、無観客配信ワンマンライブ「KEYAKIZAKA46 Live Online, but with YOU !」。この日の10曲目、「ガラスを割れ!」の披露を終えた欅坂46のメンバーは、いつも以上に激しかったパフォーマンスに息を切らしながら、キャプテン・菅井友香と副キャプテン・守屋茜を先頭にして、全メンバー28人で逆三角形の陣形をとる。そして、カメラに向かって全員で深く頭を下げた。
メンバー全員が顔を上げると、画面には菅井が大写しになる。振り乱した髪はそのままになっていた。彼女はいつも通りに観客への感謝を述べたあと、こちらをしっかりと見据えて、“欅坂46”との「前向きなお別れ」を切り出す。30万人ともいわれる観客に向けた、数分間にわたるスピーチ。菅井はひとすじだけこぼれた涙をぬぐうことなく、強いまなざしで前を見つめた。
本稿では、この日に至るまでの菅井友香の足跡をたどることを通して、欅坂46の歴史を振り返りたい。そして、デビュー前から欅坂46を追いかけてきた筆者の、いくぶんかの個人的な思いも乗せて、彼女(たち)へ敬意をもって捧げる文章としたい。
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お読みいただくにあたっては、以下の点についてお含みいただきたい。
・脚注などを含めると、記事全体で約10万字ある。非常に長いが、全体の構成上どうしても複数の記事に分けたりはしたくなかった。長くて読む気が失せても、上から下までざっとスクロールしていただいて、筆者の執念のようなものだけでも感じていただければ幸いである。
・筆者は乃木坂46および日向坂46のファンでもあるため、特に比較の文脈などではこの両グループについてもそれなりに言及がある。
・一方で、坂道シリーズ以外のグループについて筆者はほとんど知識がないので、シーン全体を概観するような視点は持ち合わせていない。
・できるだけ細かいことも記録に残しておきたい(主に筆者自身のメモとして)という意図から、かなり細かく事実関係や数字などを盛り込んである。特に脚注については些末な事項も多いため、記事を読むにあたって目を通していただく必要はあまりないと思われる。
・雑誌やムックなどからの引用の際、特に書名などから年月が特定しづらいものについては発売年月日を付記している。
・深夜、日付をまたいだあとに放送されるテレビ・ラジオ番組については、原則として変わる前の日付を採用して表記している(例えば「欅って、書けない?」については、日曜日の日付を付記)。
・特に公開からしばらくの間は、修正や一部書き直しをする可能性が高い。事実関係にはかなり気をつけて書いたつもりだが、公開時点ではまだもう少し全体をファクトチェックしたいとも感じている(記述に誤りを見つけたら、お知らせいただけますと幸いです)。
・記事公開日(2020年8月6日)以降の情報については原則として追加しない(脚注レベルでの事実関係の更新にとどめ、当該部分は赤字で表記する)。
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#日奈子ちゃんお誕生日おめでとう
前回の記事からちょうど1年が経つ。思ったより間が空いてしまったが、僕は相変わらず坂道ファンをやっている。
今日は、北野日奈子の24歳の誕生日だ。
前回の記事は、彼女の23歳の誕生日によせて、自分の体調のことも含めて書いたものだった。
おかげさまというべきか、ずっと順調だったとはいえないものの、僕の体調はいまとなってはすっかりよくなった。だから、僕自身について語るべきことはもう特にない。今回は北野の誕生日のお祝いを兼ねて、彼女のこの1年間を少し振り返ってみることにする。
・乃木坂46のこの1年間
23歳の北野日奈子が過ごしたこの1年間は、あくまで筆者の感覚でいうならば、乃木坂46がどこか落ち着きを取り戻したような、そんな1年間だった気がしている。1年前の彼女の誕生日がどんなタイミングだったかといえば、「真夏の全国ツアー2019」のさなかで、桜井玲香がこのツアー限りでの卒業を発表しており、一方で2代目キャプテンが秋元真夏だというアナウンスはまだされておらず、直前の乃木坂工事中で24thシングルの選抜発表が行われたばかりという頃である。
その前の1年間に7人(前日の2018年7月16日に卒業した斎藤ちはると相楽伊織を入れてしまえば9人)ものメンバーが卒業して慌ただしかったことと比較してみると、もちろん井上小百合、白石麻衣、佐々木琴子、中田花奈の卒業発表もあったし、新4期生の加入もあったものの、それは時間とともに変化する運動体としてのグループが適切なスピードで未来へと進んでいく過程であるように感じることができた。4期生を24thシングルのフロントにもってきたのももはやお家芸のようなものだし、2代目キャプテン秋元真夏はメンバーとファンに安心感を与える素晴らしい采配だった。
そして2019年9月20日には乃木坂46LLCの公式サイトがオープンし、所属するOG(現時点で11人)が一覧で紹介されることにもなった。同9月1日の桜井玲香のラストライブに若月佑美が登場したことや、2020年3月7日の「幻の2期生ライブ@SHOWROOM」に伊藤かりんと相楽伊織が出演したことなど、OGとの目に見えるかかわりもみられるようになったし、キー局のアナウンサーになった市來玲奈と斎藤ちはるも、「元乃木坂46」と紹介されることが思ったより多いな、と感じられる。極めつけが、彼女らも含めた11人のOGとともに配信(YouTubeでのMV公開が2020年5月25日)された「世界中の隣人よ」であった。「乃木坂46」の輪が、グループの枠組みを超えて拡大していくような、そんな印象をもたせる動きが続いている。
・北野日奈子のこの1年間
そのなかにあって北野日奈子は、安定して活動していたといっていいと思う。24th・25thシングルでは3列目で選抜入りし、福神メンバーであった23rdシングルとあわせて、1年間選抜メンバーとして活動を続けた。22ndアンダー曲であり、彼女が初めて単独でセンターに立った曲である「日常」は、「真夏の全国ツアー2019」や「8th YEAR BIRTHDAY LIVE」でも、客席を熱狂させる独特の存在感がある曲として大きくなっていった。
「Zipper」の休刊以降モデルとしての活動は途絶えていたものの、2019年9月28日の「GirlsAward 2019 AUTUMN/WINTER」では久しぶりにランウェイを歩いた。舞台の経験は一定程度あるものの、演技のイメージはそこまで強くない北野だが、「乃木坂シネマズ~STORY of 46~」では2020年1月22日配信の第5話で主演を務めた。2019年12月14-15日初回配信の「#乃木坂世界旅 今野さんほっといてよ!」の出演メンバーにも選ばれ、堀未央奈とともにニューカレドニアを旅した。堀とのコンビでいえば、「8th YEAR BIRTHDAY LIVE」での「行くあてのない僕たち」も印象深い。「幻の2期生ライブ@SHOWROOM」をインフルエンザで欠席した、なんてこともあったが、乃木坂46を確実に支えるメンバーのひとりとして、北野はこの1年間、歩みを進めてきたといえる。
・グループの一員として
そして何よりも大きいと感じるのが、北野の「乃木坂愛」ともいえる感情の高まりである。「グループのために」という行動理念、と言い換えることもできようか。それは目に見えるものではないし、数字で計れるものでもないが、まがりなりにも数年間推してきた者として、肌で感じるところである。
「アップトゥボーイ」2019年8月号では、「(一期生に教わったことを)三期生、四期生に伝えていけたら」、同2020年2月号では、「後輩たちとも積極的にコミュニケーションを取って、グループとしてまとまるために、やれることをやりたい」、日刊スポーツ「坂道の火曜日」2020年7月7日号では、「1期生のあり方を一番近くで見てきた後輩として、3期生や4期生に懸け橋として伝えていきたい」というように、2期生として乃木坂46の継承と発展を担わんとする自らの立ち位置を繰り返し明確な言葉にする場面が多くあった。
この思いは、2018年4月22日の生駒里奈卒業コンサートにサプライズ登場し(休業後初めてのライブの場だった)、生駒に「任せてください」とメッセージを伝えたことからずっとひとつながりで続いてきていると感じる。乃木坂46を「守り、育てる」とでも言おうか、そのような決意と意識で、グループの一員として生きている、といえるかもしれない。
あけすけに言ってしまえば、北野は外仕事を引っぱってきてグループを大きくするタイプのメンバーではない。しかしそんな彼女が、強いグループ愛をもち、そしてそれを自覚し、行動に移していることは頼もしい。すでに卒業発表をしている白石麻衣と中田花奈を除くと、年齢でも44人のメンバーで上から6番目になる。陰に日向に、これからもグループを支えていくのだろう。
・ありのままの「きいちゃん」で
その一方で、北野は大人ぶった行動を見せるという感じではない。彼女本来のキャラクターであるちょっと子どもっぽい明るさが見られる機会が逆に増えているような感覚もある。加えて、近しいメンバーとの紐帯を進んで見せるようにもなった。
最近では渡辺みり愛と出演した「猫舌SHOWROOM」や、ゲスト出演した「乃木坂46・久保史緒里の乃木坂上り坂」などで、近しいメンバーと無邪気にじゃれる(「むじゃきいちゃん」という言い方も、そういえばあった)姿をよく見せてくれている。「乃木坂46時間TV」でも2期生のほか久保と同じ画面におさまる場面が「乃木坂電視台」をはじめとして多くみられた。
またあるいは、卒業した中元日芽香への言及も続いている。先述の「猫舌SHOWROOM」では渡辺と、「乃木坂上り坂」では久保とふたりで「びーむ」を見せてくれたし、「8th YEAR BIRTHDAY LIVE」で寺田蘭世とふたりで中元のソロ曲「自分のこと」を歌ったあとには、755では「どうしても彼女のことを思うと涙が出てきますね」と率直に語り、ブログでは中元と連絡をとりあったエピソードを明かした。
彼女の歌であり私のことを歌っているようでそれが私と彼女とで重なる部分が多すぎてまた思いが溢れてしまいます
そして「世界中の隣人よ」MVでは、休業中だった2018年3月24日の「乃木坂46時間TV」 に登場した際に一緒だった星野みなみと相楽伊織と3人で出演した「乃木恋」CMの際に撮った写真が北野のシーンで映されていた(これについてはこの記事に詳しく書かれている)。どのメンバーにも活動してきたなかでその人なりの歴史があり、その人なりのメンバーなどとの関係性があり、それはその人の一部であるとともに、グループの一部でもある。
グループとしての乃木坂46も、「乃木坂らしさ」を探し求めた歴史があった。そうした時期よりは少し後のことになるが、北野も21歳になるに前後して、自分らしさがわからない、と吐露し、苦しんだ季節があった。
探し求めて苦しんで、何かが手に入ったのかどうかはきっとわからないのだろうけど、僕の知る乃木坂46は確かに「乃木坂らしさ」を備えている気がするし、あるいはあの苦闘の季節をくぐり抜けた現在の北野は、北野日奈子らしい、きいちゃんらしい、 と思う。
21歳になった時の私は自分が自分から離れていく感覚とか自分の周りの温度を気にしたり
本当に色々なことがあって
その先の未来が全然想像できなくて
だから24歳になった自分が
こんなにたくさんの幸せの中にいられることが
奇跡みたいで感謝の気持ちでいっぱいです!
自然体の彼女が確かな居場所を見つけたとき、自分とは違う何者かになろうとするのではなく、ありのままの彼女がその場所と重なったとき、それが「北野日奈子らしさ」だったし、それは同時に「らしさ」を求める呪縛からの解放だったのかもしれない。「奇跡」と呼ぶこともできるのだろう。違和感なく世界を生きられるようになった彼女はきっと強いし、優しい。北野日奈子が自分の思いにしたがって行動することが、グループに寄与し、そしてグループそのものになる。
・展望と希望
さて、ひるがえってグループをとりまく現況を見ると、新型コロナウイルスの影響でエンタメ業界全体が苦境に立たされている。工夫を凝らしてテレビやラジオの収録ではだんだんとできることが増えてきてはいるし、雑誌などの媒体もある程度正常化してきたが、ライブや握手会を筆頭とするリアルイベントの再開は未だになかなか見通せない状況が続いている。
当たり前のことが当たり前でなくなった世界にあって、だけど僕は北野日奈子と乃木坂46をこれからも信じてみたいと思う。僕をここまで連れてきてくれた彼女たちだから、これからもついていきたいと思う。
乃木坂46という世界を駆け抜けていく北野の背中に、確かな希望が見てとれる。
願わくば彼女とともに、明るい未来に出会えますように。
(きいちゃん、お誕生日おめでとう。)
もう一度、北野日奈子の姿に「希望」を見て
以前、こんな記事を書いたことがある。
とても個人的な記事だった。体調不良による休養を経験した北野日奈子に、休職をした僕自身の境遇を重ね、復活を遂げつつあった彼女に希望を見いだしたものだった。大丈夫だ、僕も復活できる。そう言い聞かせるための文章だったかもしれない。
そんな記事から284日。僕の体調はしかし、一筋縄ではいかなかった。だからというわけではないが、ここでもう一度、もっと個人的な話をしたい。ひとりの北野推しの、ただのつまらない人生の記録である。
・もう一度体調を崩して
前回の記事にも「完全によくなった、これでいける、と思うところまで体調をもっていっての復職だったが、思ったよりもダメだった。」と書いたところだが、復職後の僕の体調は日に日に下降線をたどっていった。そもそも復職初日に手が震えて止まらなくなっていたのである。自分に何をどう言い聞かせたところで、「体調不良」はどうにもならなかった。
身体が小刻みに震えて立ち上がれない朝。突然襲ってくる絶望的な無気力。何かを変えようとして転職活動に手を出した。あるいはいっそのことと仕事を辞めようともしたが、それすらもうまくいかず、どん底の闇の中に叩き落とされた。
もう一度休職をしなさい、と医者に言われたときの風景をよく覚えている。目の前が真っ暗になる、とはよく言ったものだ。
2018年12月。僕は二度目の休職に入ることになった。
・アンダーライブ関東シリーズ
これと近い時期に行われたのが、北野日奈子が座長を務めたアンダーライブ関東シリーズであった。僕は2日目の見切れ席のチケットを持っていたが、正直なところ行くのは半分諦めかけてもいた。少しの緊張で手足が震えるような状態では、ライブに参戦するのは難しい。会場である武蔵野の森総合スポーツプラザも、とても遠く感じられていた。
しかし、僕はどうしても諦められなかった。ここで諦めてしまえば、センターに立つ北野の姿を見ないままになってしまえば、すべてが終わってしまう。そんな気がしていた。這ってでも行こう、などと書いてしまうと大げさだが、なんとか自分をふるい立たせて会場に足を運び、調子が悪くなったら座るなり退出するなりするつもりで開演を迎えた。
結果、僕は最後まで公演を見届けることができたし、公演中は手足の震えも出てこなかった。休めば回復するのかもしれない。北野の姿とまなざしに背中を押されるようにして、実家で休職生活に入った。
(関東シリーズについては、この記事で少し触れている。)
・置いていかれるような感覚
年末年始の歌番組では、北野日奈子の快進撃が続いた。アンダーライブの翌日である12月21日には「Mステスーパーライブ2018」に出演し、代打メンバーとして「シンクロニシティ」を個人として初めて披露した。続く12月24日の「CDTVスペシャル!クリスマス音楽祭2018」では、「帰り道は遠回りしたくなる」を披露した。
さらに12月30日の「輝く!日本レコード大賞」では、前年の大賞受賞作品として「インフルエンサー」が披露され、北野はオリジナルのポジションで出演を果たした。休養期間だった前年のリベンジを果たした形となる。12月31日の紅白歌合戦にも2年ぶりに参加し、同日深夜の「CDTVスペシャル!年越しプレミアライブ2018→2019」では「シンクロニシティ」「ジコチューで行こう!」「帰り道は遠回りしたくなる」の3曲にわたり、代打メンバーとしてフロントに立った。
北野推しとしては幸せな時間だった。ただ、休職生活に入ったばかりの我が身を省みると、北野が強く歩みを進めていく一方で、実家でうずくまっている自分の弱さが思われたことも確かだ。身勝手な話だが、北野に置いていかれるような感覚があの頃の自分にはあった。そのこともまた、書き残しておきたい。
・今度こそ、順調な回復を
そんな風にしながらも、実家にいた数週間のあいだに僕はある程度回復し、最悪の状態を脱した。手足の震えや絶望的な無気力は消え、目に見える症状は長く付き合ってきた眠りの障害を残すのみとなり、気力と体力の回復に努める日々が続いた。
その日々のなかで、このブログにもいくつか文章を書くことができたし、体力的には挑戦といえるものだった「7th YEAR BIRTHDAY LIVE」にも参戦することができた。このことはすごく自信にもなったし、特にDAY3で光った北野の活躍(4期生紹介MC、「スカウトマン」相楽ポジ、「日常」、「アンダー」)に今度は素直に勇気をもらうことができた。
回復にある程度自信はもっていたものの、親の助言と医者の指示もあり、3ヶ月だった休職期間は6ヶ月に伸びた。相変わらず睡眠のリズムはなかなか整わなかったが、その6ヶ月を経て、今度こそこれでいける、と思えるところまできた。慎重に慎重を期したといってもいい。
その間、北野は「Sing Out!」で初の福神入りを果たし、雑誌などの媒体に露出することも増え、モバイルメールもよく届くようになった。彼女にちらついていた「体調不良」の残滓はいつのまにか全く霧散し、きらきらと輝く姿を見られることがどんどん増えていった。
・背中を追いかけるように
そして僕は復職し、いまだに軽減勤務の状態ではあるものの、通勤を続けながら1ヶ月を過ごすことができた。前回の休職明けのように手が震えることもなければ、絶望的な無気力に襲われることもない。しかし正直に言えば、「体調不良」の影がちらつくことも時折あるし、体力や気力がまだ不足しているとも感じる。
決して平坦ではないこの道を、この人生を、しかし歩いていかなければならない。北野日奈子の歩みはそんな僕の指針となっている。
今年も真夏の全国ツアーが始まった。けがを知ったときは心配したが、元気なモバイルメールやブログがそれをいくぶんかは打ち消してもくれた。24thシングルでも選抜入りを果たし、いよいよその歩みは揺るぎないものとなった。ステージで輝くその姿を見て、あるいは前に進んでいくその背中を追いかけるように、僕も力をもらい、少しずつ前進していきたいと考えている。
2019年7月17日、今日は彼女の23歳の誕生日。
今日という日にもう一度、北野日奈子の姿に「希望」を見て。
(きいちゃん、お誕生日おめでとう。)
「アンダー」について、もう少しだけ(2019年上半期)
・追い続けてきて、書き続けてきて
「アンダー」について最初に文章を書いてから、1年半以上の時間が経った。これまでに計7本の記事を書き、文字数の合計は27000字を超えた。それだけいろいろなことがあった曲だし、いろいろな気持ちになった曲だった。
真夏の全国ツアー2017、アンダーライブ九州シリーズ、東京ドーム公演、6th YEAR BIRTHDAY LIVE、真夏の全国ツアー2018、アンダーライブ関東シリーズ。ひとつひとつのライブが、「アンダー」という曲にストーリーを増し加えていった。
そして迎えた2019年も、「アンダー」は数々のライブで、それぞれ違うシチュエーションで演じられてきた。本稿ではそれらのライブについて触れることで、もう少し「アンダー」について追いかけてみることにしたい。
・7thBDL、「全曲披露」のもとで
2019年2月21~24日、乃木坂46「7th YEAR BIRTHDAY LIVE」が開催された。史上初の4DAYS構成のライブとなった今回のバースデーライブは、2年ぶりに「全曲披露」が復活し、当時までにリリースされていた全177曲が4日間をかけて演じられた。
全曲披露であるからには、当然「アンダー」もそこに含まれる。3日目の19曲目。リリース順を基本として披露されたセットリストのなかで、それが「アンダー」の曲順であった。
今回の「7th YEAR BIRTHDAY LIVE」では、卒業メンバーのポジションが3期生を中心として埋められることが多く、特にユニット曲などではその歌唱メンバーが注目されることとなった。そのなかにあって「アンダー」では、卒業メンバーのポジションが埋められることはなく、オリジナルの18thアンダーメンバー12人での披露となった。川後陽菜、川村真洋、斎藤ちはる、相楽伊織、中元日芽香、能條愛未の6人を欠いて再編成されたフォーメーション。センターポジションにはひとり、北野日奈子が立った。
筆者は素直に嬉しかった。「真夏の全国ツアー2018」では3期生を加えた形で披露されてもいたが、「乃木坂46の歴史を振り返る」というバースデーライブのコンセプトに鑑みれば、ここで「アンダー」を披露するのは18thアンダーメンバーしかないと思ったからである。
曲の始まりとともに、誰もいないメインステージにひとり歩いて登場した北野日奈子。曲の終わりでは確かに微笑んでみせた。18thシングル期間とアンダーライブ九州シリーズにおける苦闘の日々。それを思い起こさせつつも、「歴史」に閉じ込めた。そんな印象を与えるパフォーマンスであった。
・衛藤美彩卒業ソロコンサート
続いて2019年3月19日に開催されたのが、衛藤美彩卒業ソロコンサートである。乃木坂46メンバーとして初となるソロコンサート、本人が選曲したというセットリスト。ライブ本編17曲のうち、クライマックスの16曲目で披露されたのが「アンダー」であった。
衛藤美彩は「アンダー」オリジナルの歌唱メンバーではない。衛藤はこの選曲に至る背景について、自らのアンダー時代のことをMCで少しだけ声を詰まらせながら語った。
選抜、アンダーと立ち位置がつけられてしまうということは、苦しいことでもあるけど、ポジションがすべてじゃない。いま私がいる場所が自分の位置だと思っていままでやってきたし、皆さんと一緒にここまで走り続けてきたから、そのことに誇りを持っている――
そしてこの「アンダー」について特筆すべきことは、そこまで披露されてきた曲がワンハーフ(2番を省略)の形での披露だったにもかかわらず、フルコーラスで披露されたということである。
省略されなかった部分の歌詞に目を向けると、「今どこにいたって やるべきことって同じだ」「影は可能性 悩んだ日々もあったけど この場所を 誇りに思う」など、衛藤の境遇や心情にマッチしたフレーズが数々含まれていることがわかる。衛藤がこの曲を選んだ理由も、またフルコーラスで披露した理由も、推し量ることができようものだ。
以前にも書いたことだが、筆者は当初「アンダー」という曲について、「過去のアンダーライブ経験メンバー全員を歌唱メンバーとして制作し、アンダーアルバムに収録すべきだったのではないか」と考えていたこともあった。それは、長いアンダー時代から選抜定着を果たした衛藤美彩や齋藤飛鳥らのメンバーにこそ、この曲はむしろあてがわれるべきだったのではないかという思いがあったからだ。
いろいろな経緯があったものの、最後に衛藤がこの曲を歌ってくれたことで、曲としての位置づけが少し正しくなったような、そんな気がした。
・横アリアンダーライブ、歌い継ぐこと
2019年5月24日には、横浜アリーナで23rdシングルの発売を記念するアンダーライブが開催された。史上最少となる10人の23rdアンダーメンバーに、卒業を控えた斉藤優里と伊藤かりんを加えた12人でのライブとなった。
「アンダー」についていえば、北野日奈子の選抜入りによってセンターメンバーを欠くなかではあったが、伊藤かりんが一貫して肯定的にとらえている曲だったこともあり、披露されることもあるかもしれない、と筆者は考えていた。そして結果として「アンダー」はライブ中盤で、23rdアンダーセンターである寺田蘭世をセンターポジションに置いて披露された。
筆者は前稿で、「『アンダー』は当面披露される機会はないのではないか」「北野のいない『アンダー』は、もはやなかなか想像しづらい」と書いた。どこまでも率直な印象ではあったものの、どちらも外れることになった。
しかし、筆者にとって思い入れがある曲である「アンダー」が、このような形で歌い継がれていくことは、喜ばなければならないと思う。
このアンダーライブについてもうひとつ付け加えるならば、伊藤かりんを送り出したダブルアンコールの「僕だけの光」であろう。以前にも書いた通り、筆者はこの曲には「アンダー」と対になる部分があると考えているし、アンダーライブ九州シリーズでもセットリストの本編最後に置かれるなど、今回のアンダーライブと似た構成がとられていた。
「光」は、アンダーライブのひとつのキーワードになっているように思う。九州シリーズで樋口日奈は「18人全員にそれぞれ違う光がある」と語り、東京シリーズで北野日奈子は「アンダーメンバーは自分自身で光を放てるメンバー」と語った。
「アンダー」がこれからも歌い継がれていくのであれば、「これから射す光」にフォーカスし(ワンハーフだとこの部分は省略されてしまうが)、未来への希望と強さをたたえた曲としてあってほしいと思う。
・改めて、これからの「アンダー」
こうして各ライブを振り返ってみると、それぞれが「アンダー」という曲をグループとして適切に受容していく過程であるように思えてくる。「アンダー」がメンバーを含む多くの人にとって、衝撃の作品であったことはもはや疑いない。しかし年月とともにその衝撃度は和らぎ、適切にフォーカスされたメッセージを伝えるために披露されるようになっているように思う。
「アンダー」については、これでもう筆を置くつもりでいる。グループとして曲の受容がなされていくなかで、あえて「アンダー」1曲をあげつらう時期も、もう過ぎたのではないかと考えるからだ。こう言っておいて何かあれば書いてしまうかもしれないが、そのときはそのときで、まあいいとも思う。
書き切った。そう言えるまで、あの曲に向き合うことができた。
それはひとりのファンとして、幸せなことといえるのではないだろうか。
7th YEAR BIRTHDAY LIVE 1日目
せっかく「7th YEAR BIRTHDAY LIVE」に全日参戦できるんだから(4日目はLV)、見たこと思ったこと書けることをできるだけ書きつけておこうという趣旨の記事です。基本的にヤバいとかエモいとかしか書いてません。覚えていないことも多い。ライブ自体にあまり関係ないことも書く。
◆
1. ぐるぐるカーテン
1期生の合格者発表を模した演出でのスタートでいきなり涙腺崩壊。そもそも僕はここまで大きくなった乃木坂が全曲披露にトライするというだけでエモくなっていた人なので、もう耐えられなかった。バスラってそういえばぐるカーで始まって生駒が駆けだしてくるのが定番だったんだよなあと。
そこからの、センター星野の「はいっ」で始まったのも感動。生駒の卒業、生田の不在で回ってきた役割だったかもしれないが、とにかく立派だった。無二の存在感があるからセンターが思った以上にハマる。
2. 左胸の勇気
そのまま1期生だけでのパフォーマンス。現存の1期生の半分以上は1st選抜メンバーだが、それがアンダー曲を演じるというのが新鮮だった。
3. 白い雲にのって
ここまできたところで、「まさかリリース順披露でいくのか……」と心の中でざわざわし始める。
4. 失いたくないから
ざわざわが止まらなくなる。1期生でここまで引っ張るというのもエモいポイントだった。なお真夏がいないことにはまだ気づいていなかった模様。
5. 乃木坂の詩
過去のバスラのこの位置にこの曲がくるセトリが大好きなので、実際に立ち会えてよかった。「乃木詩もやるの!?」という声が周囲から少しあがっていたような記憶。
センターは桜井。この日全編にわたって、いつも通りといえばいつも通りだが、4期生紹介などもあり、キャプテンがクローズアップされる場面が多かったと感じる。
6. おいでシャンプー
ここから2期生が加わってのパフォーマンス。どことなく安心する人数規模になる。間奏でアオリを絢音ちゃんがやっていたのが印象的だった(センターだったのか?)。からの、安定のナカダカナシカコール。東京ドームのときみたくコールを煽るかと思ったけど特になくて、バスラに徹しているなあと思った。
7. ハウス!
この曲を2ndで手に入れていたというのが強いと思う。「俺もー!」コールは2ndBDLくらいで定着したんだっけか。今回も楽しくコールさせてもらいました。きいちゃんが近くまで来てくれて嬉しかった。
8. 心の薬
ハウス!で燃え尽きていたら終わってしまった感。
9. 水玉模様
突然の4期生登場でびっくり。4期生全員での傘を使ったパフォーマンス。この曲を誰がどうやるのかは事前から注目していたので、こう来たか、と思った(16歳メンバーの独唱あるか!?などと思っていた)。4期生は生駒を知らない世代。受け継がれていくなあ、と思って、ちょっと泣いた。
10. 狼に口笛を
センターきいちゃん、最高潮に高まった。ここでも一度泣いた気がする。3rdBDL以前での、アンダー曲なのに万理華・若月・深川が出てくるあの感じがそういえば好きだったけど、あの位置にきいちゃんがくるとはね。
11. 偶然を言い訳にして
バスラだなあ、と思う曲のひとつ。橋本ポジ誰だったっけ(みさみさか)。盛り上がった後は記憶がなくなりがち。
12. 走れ!bicycle
ここから3期生が登場。全体ライブだなあ、というような人数感になる。5thBDLでは3期が今回の4期みたいなポジションだったんだよね、と思うと懐かしい(5thBDLが「前回」という感覚がある、そこまで間違っていないと思うけど)。
13. 人はなぜ走るのか?
3期まで揃えての円陣はアツい。曲自体は、2017神宮2期生パートの記憶が呼び起こされた(当時のBRODYを最近また読み返したからか)。
14. 音が出ないギター
真夏の全国ツアー2018大阪1日目はなぜかこの曲の印象が強い。あれはあれでバスラの補完だったんだよな、きっと。
15. 涙がまだ悲しみだった頃
ねねころのセンターをりりあんに伊藤つながりで受け継がせる安直さ、好きですよ。
16. 海流の島よ
若いメンバーを集めたユニットだったはずだけど、それでもだいぶ抜けてしまったんだなあ、と思った。
17. 制服のマネキン
曲前に真夏がクローズアップされたVTRが流れたが、その途中でここまで真夏の姿を見ていないことに気づいた。「真夏、おかえり」まで持ち出して(あれは有名なエピソードだけど、演出内で特に説明がなかったという意味ではハイコンテクストだった)、とにかく合流を演出したなという印象。センターステージから歩いてくる真夏をメインステージでメンバーが迎える画は良かったけど、その間じゅう真夏がああだこうだ(愛されている、とか)と英語でナレーションが入っていたのはちょっと面白かった。
曲中では、センターまいやんが飛んだ。センターは飛鳥でいくのかと思ったけど違った。ぐるカー、マネキンは過去に飛鳥センターで披露したことがあったけど今回はそうしなかったあたり、多少バランスはとられていたのだと思う。
18. 指望遠鏡
あまり記憶がない。そういえば「真夏、おかえり」でまた涙腺が崩壊していたので、まあそういうことだと思う。
19. ここじゃないどこか
みなみ・桃子・久保ちゃんがハート型のブランコ風の乗り物で空を飛んだ。久保ちゃんの歌唱力がとにかくすごかったと記憶。生生星に桃子と久保ちゃんが入るの、なんとなくしっくりくる。
20. 渋谷ブルース
バスラの定番、WHITE HIGH。かたや写真集30万部、かたや小説20万部でとんでもない組み合わせになってしまった。ギターはまっつんと葉月。葉月が出てきてくれたのがとにかく嬉しかった(5thBDLのときから「あるぞ!」と思っていたから)。難しいパートはまっつんがやっていたような気がするけど、立派に務めあげていたと思う。ボンバーと呼ばれていたけどそんなあだ名あったっけ……(推しなのに知らない)。
21. 光合成希望
「かずみんが歌いたい曲」ということでここでセットリストに……のはずが、なぁちゃんがサプライズで登場。せり上がったメインステージに後ろから駆け寄っていく人影が見えてまさかと思ったが、そのまさかだった。1曲だけ歌ってサーッとはけていくあたりがなぁちゃんっぽくもある。
22. 君の名は希望
「初紅白で歌った曲」としてクローズアップ。ストリングスの生演奏に乗せての歌唱、やはり大がかりな演出をさせるあたりがさすが代表曲。ここでセンターに飛鳥を起用。いくちゃんがいる状態で見たかったな、と少し思った(もしかしたらピアノだったかもしれない)。
23. サイコキネシスの可能性
自己紹介を挟んで、4期によるパフォーマンス。4期に託す1曲としては重すぎず軽すぎず、曲調も元気で、ベストチョイスだったのではないかという印象。
24. ロマンティックいか焼き
曲目を並べたボードがメインステージ上に登場していたようだが、よく見えなかったので詳細不明。
25. シャキイズム
筆者が好きな曲。ライブで定番かと思いきやそこまでは披露されていない印象なので、いい位置で見られてよかった。
26. 13日の金曜日
安定のゆったんの「さわげ~!」がなぜかエモくて、センターステージを眺めながら少し泣いた。明るくて楽しい曲を歌い踊るメンバーがとても美しく思えて、完全に感情が迷子になっていた。いつものパステルカラーのかわいい衣装じゃなかったのはちょっと残念。
27. でこぴん
これもバスラの定番曲という感じ(6thでもやったし)。カメラにサインをする演出も定番になったか。
28. ガールズルール
またまいやんが飛んだ。なぜかこれもエモくて完全に泣いてしまった。なにがそこまでエモかったのか不明だが、まいやんが乃木坂にいてくれて嬉しいなあというお気持ちだった。泣いてしまうと声がかすれてコールができなくなるということを学んだ。
29. 人間という楽器
アルピーがネタにしているけど普通にいい曲ですよね。このあたりで、ここまで未央奈が出てきていないということにようやく気づき始め、その時点でエモくなってしまう。
30. 扇風機
アンダラでは披露されているイメージだけど、しっかり飛鳥をセンターに置いて披露されるのはバスラならでは、といえるだろうか。
31. 世界で一番 孤独なLover
サブステージをせり上げて特効バリバリのパフォーマンス。いつもながらしびれる。東京ドームで「表題曲格」で披露された曲はやはりただものではない。
32. コウモリよ
前曲からの続きでサブステージでのパフォーマンス。限界までせり上げていたように思う。天空席からだとよく見えたのだろうか。
33. バレッタ
満を持して未央奈が登場。曲前のVTR、わかっていたはずなのに泣いた。未央奈が長くひとりで話していたBGMがバレッタの短調アレンジで、あまり辛気くさくなるのもなあ、と思ったけど、未央奈が明るく締めてくれて救われた。バスラのたびに披露される、未央奈がバケモンみたいな1期生たちを引き連れて歩いて行く様子が大好きだったんだけど、2期3期がだいぶ入ってきたことにまた時間の流れを感じた。きいちゃんもいた。
34. 月の大きさ
記憶が薄いので、例によってエモに邪魔されていたんだと思う。好きな曲です。
35. 初恋の人を今でも
センターステージから登場したメンバーたちを、一瞬4期生と見間違えて「!?」となった。衣装の色合いが似ていた。アンダーセンターみなみという時点で好き。衣装もかわいくて好きです。
36. 私のために 誰かのために
ろってぃーパートに入った久保ちゃんが光っていた(他メンバーは衛藤・桜井・白石・高山でオリジナル通り)。
37. そんなバカな…
飛鳥と未央奈が気球で飛んだ(仕組みが判らなかったんだけど本当に気球で飛んでいたのか?)。ハコが大きいぶん、全体的に空を飛ぶ系のパフォーマンスが散見され、配慮が思われた。
38. ダンケシェーン
歌い出しの生田パートを久保ちゃんが歌い上げたのがエモポイントだった。曲終わりの若月パートはかずみん。なんとなく卒コンの定番曲のような気がしてしまうんだけど、今回は起用されなかったということですかね。
39. 孤独兄弟
まいやんの相方が誰になるかが注目だったけど、まっつんでしたね。誰もが納得の人選とはこのこと。まっつんの声がかわいいのが際立っていた(ななみんもこの曲では多少かわいい寄りの声に振れていたような覚えもあるけど)。
40. 僕が行かなきゃ誰が行くんだ?
VTRでプリンシパルにクローズアップして、「まだ誰もやっていないことに挑むのは面白い」とつなげて曲へ。これもなぁちゃん曲のはずだけど、そこまで卒コンでやれなかったということか。
41. その先の出口
直近の披露(に立ち会った)という意味で、ジコチュープロデュースの印象が強い曲だった。少人数ユニットながら2期3期をとりまぜた編成になっていた気がする(記憶が曖昧)。
42. ここにいる理由
「最後の曲は……」とVTRで軽く振りかぶっての披露だった。アンダー曲を全員でやって、アンダー扱いのメンバーが前でメインのパフォーマンス、それ以外のメンバーが後列を固めるというところがエモポイントだった。
EN1. シンクロニシティ
全員でのダンスパフォーマンスは圧巻。ともにレコ大シングルであるインフルエンサーとライブ上の位置づけも近い曲になったよね。
EN2. 裸足でSummer
「京セラドームのお前ら~」と呼びかけておきながら、「盛り上がれますか~?」と丁寧語に転じる飛鳥がなんとなく愛しくて好きです。
EN3. 乃木坂の詩
こうやって演出上の理由で同じ曲が2回出てくるセットリストが好きです。
◆
2日目以降もできれば書きたい。楽しみ!
「日向坂46」誕生によせて
2019年2月11日。突然告知されたSHOWROOM配信で、けやき坂46のシングルデビュー、デビューカウントダウンライブの開催、そしてなにより、「日向坂46」への改名が発表された。
本稿はこのことによせて、とりとめもなく雑感を書き付けようとするものである。
・「ひらがな」への思い入れ
正直に言おう。筆者は以前よりくすぶっていた改名を論じる意見には反対の立場であった。「ひらがなけやき」として積み重ねてきた、長濱ねるの加入からは3年以上、いわゆる1期生の加入からも2年半以上の時間。筆者はずっとファンであり続けてきた。2017年の全国ツアーですら、いまでも最近の出来事のように思える。2017年の全国ツアーや2018年の日本武道館公演では「ひらがなけやき」が、2018年の「走り出す瞬間」ツアーでは「ひらがなで恋したい」が、それぞれパフォーマンス1曲目として選ばれてきた。「ひらがなであること」が彼女らのアイデンティティを形づくっている。そんな文章を書いたこともあった。
筆者自身、「世界には愛しかない」全国握手会には全会場に駆けつけてひらがなけやきのお披露目を見届けてきたし、「ひらがなおもてなし会」に始まり、Zepp Tokyo公演に始まるひらがな全国ツアー2017はライブビューイングを含めれば全公演に立ち会ってきた。日本武道館公演も見届けたし、2期生の「おもてなし会」、「走り出す瞬間」ツアーにも4公演に参戦したし、「ひらがなくりすます」にも参戦できた。一朝一夕ではなく、最初からずっと「ひらがなけやき」を追いかけてきたつもりだ。
そこにあった漢字欅との紐帯、離脱後の長濱ねるへのリスペクトは本物だったと思う。だからあえて、「ひらがなけやき」という立場を、手放すことはないのではないかと思っていた。
・覚悟はしていた
しかしその一方で、いつかは独立、改名があるのではないかと、覚悟もしていた。「レコメン!」に菅井友香の存在を前提に佐々木久美や佐々木美玲、渡邉美穂が出演したとき。「ザ・ヒットスタジオ」に小池美波の代打として潮紗理奈が出演したとき、あるいは齊藤京子が小池とともに出演したとき。「走り出す瞬間」のリリースにともない、ひらがなけやきが音楽番組に出演したとき。こんな回りくどいやり方でなければ「はじめまして」ができないのか、と首をひねったことがあった。
長濱ねるが兼任解除で漢字欅専任となったとき。日本武道館公演や2期生「おもてなし会」で、頑なとも思えるやり方で漢字欅の曲を2期生にやらせなかったとき。「ひらがな推し」の開始に伴い、「欅って、書けない?」からひらがなけやきが独立したとき。「走り出す瞬間」ツアーで、完全に漢字欅の曲から決別したとき。このまま「けやき坂」から飛び立っていくのではないか、と率直に観測したこともあった。
・これからのほうが長い
ただ、考えてみれば、3年数ヶ月のこれまでの歩みを考えてみても、これからのほうがきっと長いのである。ここを折り返し地点ととらえたって、最年長の井口眞緒や佐々木久美もきっとあと半分を日向坂で過ごしてくれるはずだと信じられる。メンバーたちがこれからデビューとしてもう一度背負い直す名前が新しくなる。それをSHOWROOMを見る限り、メンバーは一定程度喜んでもいる。それで十分じゃないか、とも思う。
振りかぶって文章を書いてみようとしたが、それだけのことでもある。名前が変わるだけで、応援してきたこれまでの日々も、また応援する気持ちも、変わることはない。それだけだ。
・気がかりなこと
以下は本当に雑感だが、「ゆうがたパラダイス」からも日向坂メンバーが離れてしまうことになるのだとしたら、それは少し寂しい。思えば、少し前まではひらがなけやき2期生の出演が多かったはずだが、新年1回目に菅井友香とともに佐々木久美が出演して以降、漢字欅メンバーのみの出演が続いていた。はんにゃ・金田哲とメンバーのやりとりは温かかったし、ライブやイベントごとにいつも時間をとってメンバーが語る時間をとってくれていたので、これを失うのは痛いのではないかとも思う。齊藤京子が「イマドキッ!」のレギュラー出演をスタートしたが、レギュラーラジオが他にもほしいところである。
オードリーはこの件をどのように受け取るのだろうか。ファンと同じく、少々驚きながらも特に何事もなく進めていくと言うことなのかもしれない。これを機に「ひらがなメンバーです」を「日向坂ちゃんです」とでも改めてくれれば嬉しいのだが、若林の性格を考えると難しいか。
漢字欅に関しても、かつてのひらがなけやき日本武道館3DAYSを生んだ経緯(平手友梨奈のけが)を考えれば、いざというときに頼れる「二軍」(あえてこういう言い方をする)を失うことにもなる。ひらがなけやきの存在が前提だったはずの「欅共和国」も、果たしてどうなるのであろうか。それこそ陰に日向に、影響は出てくるはずである。日向坂46の独立は、欅坂46の独立でもあるのだ。筆者はどちらのファンでもある(どちらかに重きを置いているということでもない)から、それも気になるところだ。
ただ、いずれにせよ、これからも日向坂46と欅坂46を応援していくのみだ。とりあえずは、デビューカウントダウンライブのチケットが当たることを祈りたい。そう思うほかない。
「アンダー」について、みたび(アンダーライブ関東シリーズによせて)
・アンダーライブ、「座長」として
2018年12月19日・20日、乃木坂46・アンダーライブ関東シリーズが武蔵野の森総合スポーツプラザで開催された。北野日奈子は22ndシングルアンダー曲「日常」のセンターとして、このアンダーライブで座長を務めた。
本稿では今回のアンダーライブを振り返りつつ、「アンダー」について、もう少し書いてみようと思う。
今さら述べるまでもないことだが、北野がアンダーセンターを務めるのは初めてのことではない。18thシングルのアンダー曲であった「アンダー」でも中元日芽香とともにWセンターを務めたが、折からの体調不良によりアンダーライブの座長を務め上げることはできなかった。1年以上の時を経て、リベンジのアンダーライブであったと称することもできるように思う。
正直、10月5日のアンダーライブ北海道シリーズ千秋楽でアンダーセンター就任が発表されたときは、体調面を考えるとまだ少し早いのではないかという印象もあった。復活を焦ってほしくないし、急がせるようなことはあってはならないとも思っていた。
しかし北野は見事なパフォーマンスで、アンダーライブの座長を全うして見せた。
特に圧巻だったのはライブ終盤、「アンダー」からソロダンスを挟み、「嫉妬の権利」「制服のマネキン」「インフルエンサー」「ここにいる理由」「日常」と激しめの曲をすべてセンターで踊りきったシーンである。ソロダンス前に流されたVTRでも本人が語っていた通り、北野はもともとダンスが得意なメンバーではない。その北野がセンターポジションで見せた力いっぱいのパフォーマンスには胸が熱くなった。
・セットリストに入った「アンダー」
前稿「『アンダー』について、ふたたび(シンクロニシティ・ライブによせて)」と同じようなことを書いてしまうことになるが、この公演で「アンダー」がセットリストに入れられたことは、筆者にとって意外な出来事であった。
確かに座長である北野のセンター曲ではある。「6th YEAR BIRTHDAY LIVE」を皮切りに、「真夏の全国ツアー2018」でも全公演で演じられてきた。しかし、北海道シリーズではセットリストに入れられなかったことからもわかるように、アンダーライブのアンセムにするような曲とはなっていない(なるべきだとも思わない)。
ではどうしてここで「アンダー」なのか。2日目公演のMCで、北野はその疑問に答えるかのように、「急なんですが」と口を開いた。
この曲について「どんな感情で歌えばいいか判らない」と言ったことがあるし、今も正解がどこにあるのかわかっていない。しかし、正解がないところがすごくいいと思う。この曲を大切に思っているし、これからも大切に歌いたいと思う――
他でもない。北野自身にとって思い入れのある曲であるからこそ、セットリストに入れられたのである。
答え合わせをするわけではないが、北野は「BUBKA」3月号の単独インタビューで、「アンダー」についてセットリストに入れるか入れないか、という話が出たことと、そこで自身が「入れたほうがいい」と言ったことを明かしている。「いつまでも自分の中でコンプレックスにするのはよくないから」と。
・「アンダー」の受け止め方
「アンダー」は、メンバーの中で受け止め方が分かれてきた曲である。
Wセンターに据えられた中元日芽香と北野日奈子は、受け止め方に苦しんだメンバーの代表であろう。九州シリーズのMCで、中元は「自分の6年間を否定されたような気持ちになったこともあった」と(過去形で)吐露し、北野は「好んで歌いたくないと思っていた(が、ツアーを通して好きになった)」と語った。他にも、中田花奈にも似たようなエピソードがあったという記憶がある(が、詳細を思い出せない)。
一方で、伊藤かりんは一貫して「この曲をポジティブにとらえている」と語っている。川村真洋が「そんなに暗い気持ちで歌いたくなかったので、たまに少し微笑むようにしていた」とインタビューで答えていたことも、筆者にとっては印象深い。伊藤純奈にもこうしたニュアンスの発言があったような記憶がある(が、こちらも詳細を思い出せない)。
また、北野の「BUBKA」3月号での「いつまでも自分の中でコンプレックスにするのはよくない」という発言からは、九州シリーズでのMCでは「ツアーを通して好きになった」とも語ったものの、今回の関東シリーズに至ってもなお「コンプレックス」が残る部分があったということを読み取ることもできる。「正解がない」という自身の言葉の通り、北野のなかでもこの曲に対する評価や感情は変遷がみられるともいえる。
一方で、ファンの評価は厳しいものが多かったと言わざるを得ない。「真夏の全国ツアー2017」の演出(と、北野の涙のパフォーマンス)が炎上状態を招いたことはいまでも記憶に残っているし、個人的なつながりのあるファンの発言やインターネット上の観測範囲においても、辛辣な評価が並べられることが多かったようにも思う。あえて悪しざまにいえば「中元と北野の心を折った曲」と評価している人も多いのではないだろうか。
だが、筆者はこの曲がどうしても好きだった。好きという言い方が正しくなくても、ここまで惹きつけられた曲は他にない。確かに「美しいのはポジションじゃない」とまで踏み込んだことにはさすがに当初少し戸惑ったものの、ストレートな歌詞も美麗なメロディも好きだった。
それゆえに「アンダー」という曲を、なんとか肯定しようと試みて書いたのが、前稿の「アンダーライブ全国ツアー 九州シリーズによせて」だったようにも思う。しかし、それは孤独で苦しい戦いだった。前稿でも書いたところだが、メンバーが受け入れられるものでなければ好きであることは難しい、と感じて気持ちが遠ざかりそうになったこともあった。九州シリーズのMCでのメンバーからの前向きな発言を受けて胸のつかえがとれたとも書いたが、メンバーの本心がどこにあったとしても、ステージに立てばあのような発言になるだろうという後ろ向きな気持ちも心のどこかからは捨てきれなかった。
・想い抜くことの重み
そんな葛藤を続けるなか、「真夏の全国ツアー2018」千秋楽を控えて発信されたのが、北野からの1通のモバイルメールだった。モバイルメールの性質上、そのまま引用するようなことは避けるが、「アンダー」について想うたびに、この曲に重みや気持ちとストーリーが増していく、というような内容が含まれていた。
これは「正解がないところがすごくいい」という、関東シリーズのMCでの発言につながる。「BUBKA」3月号でも、「『アンダー』についてよく考えることがあるが、どれだけ考えても正解が出ない」「正解も不正解もないんじゃないかと思うようになった」「そこが『アンダー』のいいところなのかなって」と語っている。戸惑いから始まり、いくら考えても答えは出ず、しかし考えれば考えるほど曲の重みが増していく。北野がそう表現した「アンダー」のありようは、筆者自身の葛藤にも重なってくるように思えた。
だから筆者はいま、北野自身の言葉である「正解がないところがすごくいい」という言葉を信頼して、改めて「アンダー」に臨んでいこうと考えている。たぶん筆者自身は、前述のような葛藤こそあれ、「アンダー」を肯定しようと心の中で戦い続けることになると思う。たどり着くべき正解も終わりもない孤独な戦いになるはずだ。ただしそれは、「アンダー」を受け入れることのできないという意見と戦うということではない。「正解がない」のだから、そうした意見も否定することはできないのだと思う。
ただし、曲をそれぞれのあり方で受け止めて、ステージに立つメンバーのことだけは、ファンとして肯定していなければならないとも思う。自ら葛藤することも、メンバーの葛藤に目が行くこともあるが、メンバーが見せてくれる風景を第一に大切にしたい。改めて、そう思う。
・これからの「アンダー」
一方で、これも何かあるたびに考えることだが、「アンダー」は当面披露される機会はないのではないかとも思う。今月に控える「7th YEAR BIRTHDAY LIVE」ではセンターに北野を置いて改めて披露されるかもしれないが、それ以降、北野の選抜復帰も期待されるなかで、「アンダー」がどうなっていくのかは不透明であるといえるだろう。今回の関東シリーズでの披露についても、座長である北野の選択に任された部分があったのである。
北野のいない「アンダー」は、もはやなかなか想像しづらい。選抜メンバーとして「アンダー」を歌うこともまた違うだろう。他にセンターを立てるとしてもなかなかに重すぎるかもしれない。中元・北野が両方欠席したときのようなセンターのいないフォーメーションも考えられるが、そこまでして披露するほどの曲であろうか。
だからこれからの「アンダー」がどのようになっていくかは、わからない。この曲が好きな筆者としては、たまにライブで披露してくれればいいなとも思うし、封印のような形になるのは寂しい。でも、そうなるかもしれない。そうなってもならなくても、さらなる時間の経過とともに、ストーリーが重くなっていく曲だと思う。
ファンとしては見守ることしかできないが、しかししっかりと見守り続けていきたいと思う。それがこの曲と向き合うということになるのだろうから。
欅共和国2017の円盤が最高だったけど
多少なりとも今更感のある記事だが、欅共和国2017のBlu-ray、本当に良かった。
でも、両日現地で参加した筆者にとっては、映像に残らなかったところにも覚えておきたいことがたくさんある。メモ書き代わりに、思いつくままに書きつけてみたい。
・「欅共和国」って何だよ、って雰囲気が当初はけっこうあった
織田奈那と志田愛佳のSHOWROOMでネーミングが発表されたときに、彼女らともども我々も「マジかよなんだそれ」みたいな雰囲気がけっこうあった。今にして思えばメンバーも振り入れなどを始める前だったようだし、あそこまで世界観を作り込むとは誰も知らなかったわけである。コンセプトの設定に平手友梨奈が大きくかかわっていたということもどこまでメンバーに浸透していたのだろうか。誰もが「どうなるんだろう」と思いながらの「初野外ワンマン」だったということを記憶している。
・チケットはめちゃくちゃ取れた
信じられないほどチケットは取りやすかった。少なくともマネパカード先行であればおそらく全員当選のレベルだったのではないかと思われる。両日ともに当日券も出た。ちなみに最初の先行抽選の際には全国ツアーの開催は明かされていなかったし、そこと需要が食い合ったわけでもない。マネパカード先行は「1st ANNIVERSARY LIVE」の際も行われていたが、もう少し落選は出ていたのではないかと思う。当時は有明コロシアムでの初ワンマンライブで一般のステージサイド/モニター観覧席まで粘った記憶が強かったので、拍子抜けするほどであった。
ただ、富士急近辺の宿はとれなかった。SHOWROOMの放送がまだ終わっていないうちに初日夜の宿をとろうとトライしたがドミトリーしかとれず、欅ファンばかりの6人部屋でおっさんのいびきを聞きながら寝たのをよく覚えている。
・「アルバムの発売を記念する」位置づけだった
そもそもは「1stアルバム発売を記念した初野外ワンマン」という位置づけだった。結局すぐに初のアリーナツアーが発表されてよくわからないことになったが、そう謳われていたはずである(開催発表のSHOWROOM)。当日はアルバム発売から数日と間もなかったが、それなり以上にはアルバム曲もやるのではないかという予測が、少なくとも個人的にはあった。結局は2日目のダブルアンコールで「危なっかしい計画」が披露されたわけだが、初日を終えた後は「せめて『月曜日の朝、スカートを切られた』くらいはやれなかったのか」と思っていた覚えがある(「月スカ」はすでに、音楽番組で披露されていた)。
そんなわけで、個人的には初日は席が悪かったこともあり、「アルバム曲が来ない!」という思いばかりを抱えてライブを見届けていた覚えがある(アンコールの「誰のことを一番 愛してる?」は死ぬほどテンションが上がったが)。2日目にしてようやく「そういうライブなのだ」と理解して楽しむことができるようになり、花道近くの席で渡邉理佐からの放水を直に受けるなどの幸運にも恵まれ、評価がガラッと変わったライブだったように思う。
・ダブアンはまあまあの人数が帰っていた
欅共和国2017の2日目は、欅坂46にとって初のダブルアンコールだった。そのこともあってか、アンコール3曲目の「W-KEYAKIZAKAの詩」の途中で帰ってしまった人がまあまあいたと記憶する。まあ日曜夜の富士急ハイランドならば仕方のないことだとも思う。1本でも早い富士急行線に乗れれば帰宅時間が段違いだろうし、混み具合も天と地ほどの差であろう。出口も限られ、退場にもかなりの時間がかかっていたはずだ。 筆者はというと、初日の感じを見て富士急行線で帰宅するのを諦め、当日申し込みの高速バスを予約していた。新宿行きは売り切れてしまっており、背に腹はかえられまいと立川行きを買ったことをよく覚えている。特典のステッカーも貰えたし、安心して最後まで楽しめたし、両隣の席が空いたので「危なっかしい計画」で信じられないほど飛び跳ねまくったこともあって、とても良い選択だったように思う。
・米谷、今泉の不参加発表は当日だった
これは割と参加したファンが怒っていたポイントだったように思う。「1st ANNIVERSARY LIVE」以来の大きなライブということで今泉佑唯がなんらかの形で復帰してくれることを願っていたファンも多かったと思うし、米谷奈々未が不参加となることは誰も予想できなかったのではないだろうか。円盤の特典映像を見るに、当然ふたりは欠席するものとして準備がされていたことがわかるし、特に米谷推しにとってはもう少し早めに知っておきたかった情報だったのではないかと思う。筆者がふたりの不参加の発表を目にしたのは初日に宿にチェックインしてからで、こんなタイミングってあるかよ、と率直に思った覚えがある。このふたりは現在卒業を発表してそのタイミングを控えており、このままいくとこのふたりの参加したライブが映像作品化されないことになることは、とても残念でならない(「2nd YEAR ANNIVERSARY LIVE」の映像化に期待するしかないが、望み薄ではないか)。
・平手友梨奈は絶好調だった
改めて述べる必要もなく話題になっているのかもしれないが、平手友梨奈が最初で最後と言っていいほどの絶好調ぶりを見せていた。そもそも平手は、「デビューカウントダウンライブ」後にテレビカメラに語っていたように、「最高のパフォーマンスをしたい」「(パフォーマンスに)納得していれば自然に涙は出ている」という考え方の持ち主で、有明での初ワンマンライブや「1st ANNIVERSARY LIVE」のアンコールの際にはどこか暗い表情でうつむいていた(筆者はこれを「反省会モード」と呼んでいた、有明でのラストは涙していたが)。「二人セゾン」期にキャプテン制を敷かれて以降、ミニライブも含めて平手がMCで声を発することもなくなっていたが(「苦手なので他のメンバーに任せている」と「しゃべくり007」で話していたのは記憶に新しい)、欅共和国2017のアンコールでは今では信じられないほど喋っていた(次にMCで口を開いたのは欅共和国2018の最終日である)。ライブを終えたあとに「みんな大好きだよ」と言って泣いたというエピソードは有名だが、たぶんこの欅共和国2017は平手にとって少なくとも指折りの、自分を出し切れたパフォーマンスだったのだと思う。
■
とりあえずはこんなところだ。そのうち少しまた書き足すかもしれない。
北野日奈子の姿に「希望」を見て
とても個人的な話をしたい。
少しの紆余曲折を経て北野日奈子のことを推している、筆者自身の身の上と心中の話である。
もしかしたら、読んで不快になってしまう人もいるかもしれないとも思う。誰に向けて書きたい文章なのかも、いつも以上にわからない。でも書かずにはいられなかった。
なんの嘘偽りも誇張もなく、いまの僕は北野日奈子に支えられて生きているのだ。そのことをいま、書きたい。
・なぜ僕は北野推しになったか
北野日奈子のことは、乃木坂46を追いかけ始めた頃から結構好きだった。どちらかというと僕は、「きれいなお姉さん集団」としての乃木坂46の中心メンバーというよりは、そのイメージから少し外れるメンバーを好きになる傾向がある。推しメンとしては川村真洋を掲げていたが(→「ろってぃーのこと」)、僕にとって初めての乃木坂46のライブだった「Merry Xmas Show 2016~選抜単独公演~」のときに、当時の選抜メンバー19人のうちの誰かの推しタオルを買おうとして、選んだのが北野日奈子だった。
テレビ番組のなかで、フライパンを曲げたり、漫画雑誌を破いたりしている元気印の「きいちゃん」が、単純にかわいくて好きだった。その頃は、それ以上でも以下でもなかった。あるいは以前にも書いた(→「アンダーライブ全国ツアー 九州シリーズによせて(1)」)ように、14thシングル期から少しずつ乃木坂46を知っていった僕にとって、北野日奈子はしばらくずっと選抜メンバーだった。何のけれんみもなく、彼女のことを目で追っていたにすぎなかった。
・「アンダー」と九州シリーズ
転機となったのは、2017年夏だろう。このブログを始めるきっかけともなった前稿「アンダーライブ全国ツアー 九州シリーズによせて」で書き続けてきたように、「アンダー」でのアンダーセンター選出、ライブでの異変と体調不良での欠席、やっと上がった九州シリーズのステージ、東京ドーム公演と休養入り、と、北野にとって厳しい時間が続いた。北野日奈子と中元日芽香のことを、特別な思いで追うようになったのがこの頃である。
好きだから追いかけているのか、心配だから追いかけているのか、正直なところわからなかった。そんな時間のなかで、中元と川村が卒業して、宙ぶらりんになった僕は、北野のことを思うしかなかった。そしてサプライズで登場した乃木坂46時間TV、ステージに復帰した生駒里奈卒業コンサート。3期でいえば向井葉月のことを応援してもいるが、ひとりまた推しメンを決めるならば、北野日奈子しかない、と思うようになった。
・自らが体調を崩して
ここからきわめて個人的な話になる。そう思うようになって間もない2018年5月、僕は「体調不良」に陥った。ずっと前から予兆はあったし、自らの生活に鑑みても、いつかそうなってもおかしくないと思っていた部分もあった。その危惧はふとしたきっかけで現実のものとなってしまった。
こんなことを書いてはいけないと思うし、考えてもいけないと思うが、僕の「体調不良」は、北野日奈子の「体調不良」と重なるものなのではないかと思っている。だめだとわかっていても、そう考えることをやめることができない。偶像としての「アイドル」に、自らの身の上を投影してしまっているだけなのかもしれない。それはどこまでも迷惑で失礼なことかもしれない。でも、ひとたび生まれた考えを拭い去ることができないのだ。
「体調不良」に陥った僕は、1ヶ月間の通院期間を経ても改善がみられず、3ヶ月にわたって仕事を休むことになった。3ヶ月で戻ることができたら、きいちゃんよりは少しだけ短いのかな、なんて考えている自分もいた。
・復職をした僕と、走り始めたきいちゃん
3ヶ月を経てどうにか復職をして、3週間が経過した。完全によくなった、これでいける、と思うところまで体調をもっていっての復職だったが、思ったよりもダメだった。仕事をいくらか軽くしてもらっていることもあって、休職前と今とどちらが体調がいいかさえ、正直よくわからなくなってしまっている。とはいえあれ以上休んだところであれ以上の回復はなかったと思うから、きっと一度体調を崩して失われてしまったものは、もう戻ってこないのではないか。そんなふうに不安になる気持ちも強い。
しかし、北野日奈子は少しずつ前進を続けている。神宮でのバースデーライブで完全な形でライブに復帰してセンターにも立ち、21stシングルでは歌唱メンバーにも復帰。真夏の全国ツアーも完走して、「乃木のの」や「乃木坂工事中」にも復帰、握手会にも参加するなど、確実な回復を見せている。それが僕にとって、ひとつの希望となっている。
先日、10月1日付けのブログには、こんなことを書いていた。
全国ツアーを全公演無事に完走して
少しだけかもしれないけど
ちょっとずつできている自分を確認できた夏でした!苦手なことが増えたけど
上手なことも増えて
22歳の私は引いたり足したり
そんな感じでできています!
結局のところ、できることをひとつひとつ増やしながら回復していくしかないし、生きていくしかないのだ。
しかしそれは、そうやって「生きていくことができる」ということでもある。
僕はアイドルについては、おおむね楽しみつつ「応援してきた」つもりだった。趣味のひとつの範囲をこえて、こんなに支えられ、何かを教えられることがあるとは思わなかった。
・そしてこれから
先日行われたアンダーライブ全国ツアー北海道シリーズの千秋楽では、12月に東京で22ndアンダーメンバーによるアンダーライブが行われること、そしてそのセンターを北野日奈子が務めるということが発表された。選抜入りはかなわなかったものの、とても大きなグッドニュースである。
ブログからうかがい知ることもできるように、体調面の不安もまだありはするのだろう。でも、不安はいつまでも不安として残り、それを打ち消すためには、日々のひとつひとつを重ねていくことしかないのだろう。体調不良に明確なはじまりがなかったように、回復にも明確な区切りはないのだと思う。
これからも引き続き、北野日奈子の活躍を見守っていきたい。北野日奈子を希望の光として、いつまでもそのあとに続いていける自分でありたい。彼女のように、たとえそれが険しい道でも、一歩一歩前に進んでいきたい。
大げさかもしれないが、これが今日の僕の本心だ。