坂道雑文帳

乃木坂とか欅坂とか日向坂とか。

7th YEAR BIRTHDAY LIVE 1日目

 せっかく「7th YEAR BIRTHDAY LIVE」に全日参戦できるんだから(4日目はLV)、見たこと思ったこと書けることをできるだけ書きつけておこうという趣旨の記事です。基本的にヤバいとかエモいとかしか書いてません。覚えていないことも多い。ライブ自体にあまり関係ないことも書く。

 


1. ぐるぐるカーテン

 1期生の合格者発表を模した演出でのスタートでいきなり涙腺崩壊。そもそも僕はここまで大きくなった乃木坂が全曲披露にトライするというだけでエモくなっていた人なので、もう耐えられなかった。バスラってそういえばぐるカーで始まって生駒が駆けだしてくるのが定番だったんだよなあと。

 そこからの、センター星野の「はいっ」で始まったのも感動。生駒の卒業、生田の不在で回ってきた役割だったかもしれないが、とにかく立派だった。無二の存在感があるからセンターが思った以上にハマる。

2. 左胸の勇気

 そのまま1期生だけでのパフォーマンス。現存の1期生の半分以上は1st選抜メンバーだが、それがアンダー曲を演じるというのが新鮮だった。

3. 白い雲にのって

 ここまできたところで、「まさかリリース順披露でいくのか……」と心の中でざわざわし始める。

4. 失いたくないから

 ざわざわが止まらなくなる。1期生でここまで引っ張るというのもエモいポイントだった。なお真夏がいないことにはまだ気づいていなかった模様。

5. 乃木坂の詩

 過去のバスラのこの位置にこの曲がくるセトリが大好きなので、実際に立ち会えてよかった。「乃木詩もやるの!?」という声が周囲から少しあがっていたような記憶。

 センターは桜井。この日全編にわたって、いつも通りといえばいつも通りだが、4期生紹介などもあり、キャプテンがクローズアップされる場面が多かったと感じる。

6. おいでシャンプー

 ここから2期生が加わってのパフォーマンス。どことなく安心する人数規模になる。間奏でアオリを絢音ちゃんがやっていたのが印象的だった(センターだったのか?)。からの、安定のナカダカナシカコール。東京ドームのときみたくコールを煽るかと思ったけど特になくて、バスラに徹しているなあと思った。

7. ハウス!

 この曲を2ndで手に入れていたというのが強いと思う。「俺もー!」コールは2ndBDLくらいで定着したんだっけか。今回も楽しくコールさせてもらいました。きいちゃんが近くまで来てくれて嬉しかった。

8. 心の薬

 ハウス!で燃え尽きていたら終わってしまった感。

9. 水玉模様

 突然の4期生登場でびっくり。4期生全員での傘を使ったパフォーマンス。この曲を誰がどうやるのかは事前から注目していたので、こう来たか、と思った(16歳メンバーの独唱あるか!?などと思っていた)。4期生は生駒を知らない世代。受け継がれていくなあ、と思って、ちょっと泣いた。

10. 狼に口笛を

 センターきいちゃん、最高潮に高まった。ここでも一度泣いた気がする。3rdBDL以前での、アンダー曲なのに万理華・若月・深川が出てくるあの感じがそういえば好きだったけど、あの位置にきいちゃんがくるとはね。

11. 偶然を言い訳にして

 バスラだなあ、と思う曲のひとつ。橋本ポジ誰だったっけ(みさみさか)。盛り上がった後は記憶がなくなりがち。

12. 走れ!bicycle

 ここから3期生が登場。全体ライブだなあ、というような人数感になる。5thBDLでは3期が今回の4期みたいなポジションだったんだよね、と思うと懐かしい(5thBDLが「前回」という感覚がある、そこまで間違っていないと思うけど)。

13. 人はなぜ走るのか?

 3期まで揃えての円陣はアツい。曲自体は、2017神宮2期生パートの記憶が呼び起こされた(当時のBRODYを最近また読み返したからか)。

14. 音が出ないギター

 真夏の全国ツアー2018大阪1日目はなぜかこの曲の印象が強い。あれはあれでバスラの補完だったんだよな、きっと。

15. 涙がまだ悲しみだった頃

 ねねころのセンターをりりあんに伊藤つながりで受け継がせる安直さ、好きですよ。

16. 海流の島よ

 若いメンバーを集めたユニットだったはずだけど、それでもだいぶ抜けてしまったんだなあ、と思った。

17. 制服のマネキン

 曲前に真夏がクローズアップされたVTRが流れたが、その途中でここまで真夏の姿を見ていないことに気づいた。「真夏、おかえり」まで持ち出して(あれは有名なエピソードだけど、演出内で特に説明がなかったという意味ではハイコンテクストだった)、とにかく合流を演出したなという印象。センターステージから歩いてくる真夏をメインステージでメンバーが迎える画は良かったけど、その間じゅう真夏がああだこうだ(愛されている、とか)と英語でナレーションが入っていたのはちょっと面白かった。

 曲中では、センターまいやんが飛んだ。センターは飛鳥でいくのかと思ったけど違った。ぐるカー、マネキンは過去に飛鳥センターで披露したことがあったけど今回はそうしなかったあたり、多少バランスはとられていたのだと思う。

18. 指望遠鏡

 あまり記憶がない。そういえば「真夏、おかえり」でまた涙腺が崩壊していたので、まあそういうことだと思う。

19. ここじゃないどこか

 みなみ・桃子・久保ちゃんがハート型のブランコ風の乗り物で空を飛んだ。久保ちゃんの歌唱力がとにかくすごかったと記憶。生生星に桃子と久保ちゃんが入るの、なんとなくしっくりくる。

20. 渋谷ブルース

 バスラの定番、WHITE HIGH。かたや写真集30万部、かたや小説20万部でとんでもない組み合わせになってしまった。ギターはまっつんと葉月。葉月が出てきてくれたのがとにかく嬉しかった(5thBDLのときから「あるぞ!」と思っていたから)。難しいパートはまっつんがやっていたような気がするけど、立派に務めあげていたと思う。ボンバーと呼ばれていたけどそんなあだ名あったっけ……(推しなのに知らない)。

21. 光合成希望

 「かずみんが歌いたい曲」ということでここでセットリストに……のはずが、なぁちゃんがサプライズで登場。せり上がったメインステージに後ろから駆け寄っていく人影が見えてまさかと思ったが、そのまさかだった。1曲だけ歌ってサーッとはけていくあたりがなぁちゃんっぽくもある。

22. 君の名は希望

 「初紅白で歌った曲」としてクローズアップ。ストリングスの生演奏に乗せての歌唱、やはり大がかりな演出をさせるあたりがさすが代表曲。ここでセンターに飛鳥を起用。いくちゃんがいる状態で見たかったな、と少し思った(もしかしたらピアノだったかもしれない)。

23. サイコキネシスの可能性

 自己紹介を挟んで、4期によるパフォーマンス。4期に託す1曲としては重すぎず軽すぎず、曲調も元気で、ベストチョイスだったのではないかという印象。

24. ロマンティックいか焼き

 曲目を並べたボードがメインステージ上に登場していたようだが、よく見えなかったので詳細不明。

25. シャキイズム

 筆者が好きな曲。ライブで定番かと思いきやそこまでは披露されていない印象なので、いい位置で見られてよかった。

26. 13日の金曜日

 安定のゆったんの「さわげ~!」がなぜかエモくて、センターステージを眺めながら少し泣いた。明るくて楽しい曲を歌い踊るメンバーがとても美しく思えて、完全に感情が迷子になっていた。いつものパステルカラーのかわいい衣装じゃなかったのはちょっと残念。

27. でこぴん

 これもバスラの定番曲という感じ(6thでもやったし)。カメラにサインをする演出も定番になったか。

28. ガールズルール

 またまいやんが飛んだ。なぜかこれもエモくて完全に泣いてしまった。なにがそこまでエモかったのか不明だが、まいやんが乃木坂にいてくれて嬉しいなあというお気持ちだった。泣いてしまうと声がかすれてコールができなくなるということを学んだ。

29. 人間という楽器

 アルピーがネタにしているけど普通にいい曲ですよね。このあたりで、ここまで未央奈が出てきていないということにようやく気づき始め、その時点でエモくなってしまう。

30. 扇風機

 アンダラでは披露されているイメージだけど、しっかり飛鳥をセンターに置いて披露されるのはバスラならでは、といえるだろうか。

31. 世界で一番 孤独なLover

 サブステージをせり上げて特効バリバリのパフォーマンス。いつもながらしびれる。東京ドームで「表題曲格」で披露された曲はやはりただものではない。

32. コウモリよ

 前曲からの続きでサブステージでのパフォーマンス。限界までせり上げていたように思う。天空席からだとよく見えたのだろうか。

33. バレッタ

 満を持して未央奈が登場。曲前のVTR、わかっていたはずなのに泣いた。未央奈が長くひとりで話していたBGMがバレッタ短調アレンジで、あまり辛気くさくなるのもなあ、と思ったけど、未央奈が明るく締めてくれて救われた。バスラのたびに披露される、未央奈がバケモンみたいな1期生たちを引き連れて歩いて行く様子が大好きだったんだけど、2期3期がだいぶ入ってきたことにまた時間の流れを感じた。きいちゃんもいた。

34. 月の大きさ

 記憶が薄いので、例によってエモに邪魔されていたんだと思う。好きな曲です。

35. 初恋の人を今でも

 センターステージから登場したメンバーたちを、一瞬4期生と見間違えて「!?」となった。衣装の色合いが似ていた。アンダーセンターみなみという時点で好き。衣装もかわいくて好きです。

36. 私のために 誰かのため

 ろってぃーパートに入った久保ちゃんが光っていた(他メンバーは衛藤・桜井・白石・高山でオリジナル通り)。

37. そんなバカな…

 飛鳥と未央奈が気球で飛んだ(仕組みが判らなかったんだけど本当に気球で飛んでいたのか?)。ハコが大きいぶん、全体的に空を飛ぶ系のパフォーマンスが散見され、配慮が思われた。

38. ダンケシェーン

 歌い出しの生田パートを久保ちゃんが歌い上げたのがエモポイントだった。曲終わりの若月パートはかずみん。なんとなく卒コンの定番曲のような気がしてしまうんだけど、今回は起用されなかったということですかね。

39. 孤独兄弟

 まいやんの相方が誰になるかが注目だったけど、まっつんでしたね。誰もが納得の人選とはこのこと。まっつんの声がかわいいのが際立っていた(ななみんもこの曲では多少かわいい寄りの声に振れていたような覚えもあるけど)。

40. 僕が行かなきゃ誰が行くんだ?

 VTRでプリンシパルにクローズアップして、「まだ誰もやっていないことに挑むのは面白い」とつなげて曲へ。これもなぁちゃん曲のはずだけど、そこまで卒コンでやれなかったということか。

41. その先の出口

 直近の披露(に立ち会った)という意味で、ジコチュープロデュースの印象が強い曲だった。少人数ユニットながら2期3期をとりまぜた編成になっていた気がする(記憶が曖昧)。

42. ここにいる理由

 「最後の曲は……」とVTRで軽く振りかぶっての披露だった。アンダー曲を全員でやって、アンダー扱いのメンバーが前でメインのパフォーマンス、それ以外のメンバーが後列を固めるというところがエモポイントだった。

EN1. シンクロニシティ

 全員でのダンスパフォーマンスは圧巻。ともにレコ大シングルであるインフルエンサーとライブ上の位置づけも近い曲になったよね。

EN2. 裸足でSummer

 「京セラドームのお前ら~」と呼びかけておきながら、「盛り上がれますか~?」と丁寧語に転じる飛鳥がなんとなく愛しくて好きです。

EN3. 乃木坂の詩

 こうやって演出上の理由で同じ曲が2回出てくるセットリストが好きです。

 

 

 2日目以降もできれば書きたい。楽しみ!

「日向坂46」誕生によせて

 2019年2月11日。突然告知されたSHOWROOM配信で、けやき坂46のシングルデビュー、デビューカウントダウンライブの開催、そしてなにより、「日向坂46」への改名が発表された。
 本稿はこのことによせて、とりとめもなく雑感を書き付けようとするものである。

・「ひらがな」への思い入れ

 正直に言おう。筆者は以前よりくすぶっていた改名を論じる意見には反対の立場であった。「ひらがなけやき」として積み重ねてきた、長濱ねるの加入からは3年以上、いわゆる1期生の加入からも2年半以上の時間。筆者はずっとファンであり続けてきた。2017年の全国ツアーですら、いまでも最近の出来事のように思える。2017年の全国ツアーや2018年の日本武道館公演では「ひらがなけやき」が、2018年の「走り出す瞬間」ツアーでは「ひらがなで恋したい」が、それぞれパフォーマンス1曲目として選ばれてきた。「ひらがなであること」が彼女らのアイデンティティを形づくっている。そんな文章を書いたこともあった。
 筆者自身、「世界には愛しかない」全国握手会には全会場に駆けつけてひらがなけやきのお披露目を見届けてきたし、「ひらがなおもてなし会」に始まり、Zepp Tokyo公演に始まるひらがな全国ツアー2017はライブビューイングを含めれば全公演に立ち会ってきた。日本武道館公演も見届けたし、2期生の「おもてなし会」、「走り出す瞬間」ツアーにも4公演に参戦したし、「ひらがなくりすます」にも参戦できた。一朝一夕ではなく、最初からずっと「ひらがなけやき」を追いかけてきたつもりだ。
 そこにあった漢字欅との紐帯、離脱後の長濱ねるへのリスペクトは本物だったと思う。だからあえて、「ひらがなけやき」という立場を、手放すことはないのではないかと思っていた。

・覚悟はしていた

 しかしその一方で、いつかは独立、改名があるのではないかと、覚悟もしていた。「レコメン!」に菅井友香の存在を前提に佐々木久美や佐々木美玲渡邉美穂が出演したとき。「ザ・ヒットスタジオ」に小池美波の代打として潮紗理奈が出演したとき、あるいは齊藤京子が小池とともに出演したとき。「走り出す瞬間」のリリースにともない、ひらがなけやきが音楽番組に出演したとき。こんな回りくどいやり方でなければ「はじめまして」ができないのか、と首をひねったことがあった。
 長濱ねるが兼任解除で漢字欅専任となったとき。日本武道館公演や2期生「おもてなし会」で、頑なとも思えるやり方で漢字欅の曲を2期生にやらせなかったとき。「ひらがな推し」の開始に伴い、「欅って、書けない?」からひらがなけやきが独立したとき。「走り出す瞬間」ツアーで、完全に漢字欅の曲から決別したとき。このまま「けやき坂」から飛び立っていくのではないか、と率直に観測したこともあった。

・これからのほうが長い

 ただ、考えてみれば、3年数ヶ月のこれまでの歩みを考えてみても、これからのほうがきっと長いのである。ここを折り返し地点ととらえたって、最年長の井口眞緒や佐々木久美もきっとあと半分を日向坂で過ごしてくれるはずだと信じられる。メンバーたちがこれからデビューとしてもう一度背負い直す名前が新しくなる。それをSHOWROOMを見る限り、メンバーは一定程度喜んでもいる。それで十分じゃないか、とも思う。
 振りかぶって文章を書いてみようとしたが、それだけのことでもある。名前が変わるだけで、応援してきたこれまでの日々も、また応援する気持ちも、変わることはない。それだけだ。

・気がかりなこと

 以下は本当に雑感だが、「ゆうがたパラダイス」からも日向坂メンバーが離れてしまうことになるのだとしたら、それは少し寂しい。思えば、少し前まではひらがなけやき2期生の出演が多かったはずだが、新年1回目に菅井友香とともに佐々木久美が出演して以降、漢字欅メンバーのみの出演が続いていた。はんにゃ・金田哲とメンバーのやりとりは温かかったし、ライブやイベントごとにいつも時間をとってメンバーが語る時間をとってくれていたので、これを失うのは痛いのではないかとも思う。齊藤京子が「イマドキッ!」のレギュラー出演をスタートしたが、レギュラーラジオが他にもほしいところである。
 オードリーはこの件をどのように受け取るのだろうか。ファンと同じく、少々驚きながらも特に何事もなく進めていくと言うことなのかもしれない。これを機に「ひらがなメンバーです」を「日向坂ちゃんです」とでも改めてくれれば嬉しいのだが、若林の性格を考えると難しいか。
 漢字欅に関しても、かつてのひらがなけやき日本武道館3DAYSを生んだ経緯(平手友梨奈のけが)を考えれば、いざというときに頼れる「二軍」(あえてこういう言い方をする)を失うことにもなる。ひらがなけやきの存在が前提だったはずの「欅共和国」も、果たしてどうなるのであろうか。それこそ陰に日向に、影響は出てくるはずである。日向坂46の独立は、欅坂46の独立でもあるのだ。筆者はどちらのファンでもある(どちらかに重きを置いているということでもない)から、それも気になるところだ。

 ただ、いずれにせよ、これからも日向坂46と欅坂46を応援していくのみだ。とりあえずは、デビューカウントダウンライブのチケットが当たることを祈りたい。そう思うほかない。

「アンダー」について、みたび(アンダーライブ関東シリーズによせて)

・アンダーライブ、「座長」として

 2018年12月19日・20日乃木坂46・アンダーライブ関東シリーズが武蔵野の森総合スポーツプラザで開催された。北野日奈子は22ndシングルアンダー曲「日常」のセンターとして、このアンダーライブで座長を務めた。
 本稿では今回のアンダーライブを振り返りつつ、「アンダー」について、もう少し書いてみようと思う。

 今さら述べるまでもないことだが、北野がアンダーセンターを務めるのは初めてのことではない。18thシングルのアンダー曲であった「アンダー」でも中元日芽香とともにWセンターを務めたが、折からの体調不良によりアンダーライブの座長を務め上げることはできなかった。1年以上の時を経て、リベンジのアンダーライブであったと称することもできるように思う。
 正直、10月5日のアンダーライブ北海道シリーズ千秋楽でアンダーセンター就任が発表されたときは、体調面を考えるとまだ少し早いのではないかという印象もあった。復活を焦ってほしくないし、急がせるようなことはあってはならないとも思っていた。

 しかし北野は見事なパフォーマンスで、アンダーライブの座長を全うして見せた。
 特に圧巻だったのはライブ終盤、「アンダー」からソロダンスを挟み、「嫉妬の権利」「制服のマネキン」「インフルエンサー」「ここにいる理由」「日常」と激しめの曲をすべてセンターで踊りきったシーンである。ソロダンス前に流されたVTRでも本人が語っていた通り、北野はもともとダンスが得意なメンバーではない。その北野がセンターポジションで見せた力いっぱいのパフォーマンスには胸が熱くなった。

・セットリストに入った「アンダー」

 前稿「『アンダー』について、ふたたび(シンクロニシティ・ライブによせて)」と同じようなことを書いてしまうことになるが、この公演で「アンダー」がセットリストに入れられたことは、筆者にとって意外な出来事であった。
 確かに座長である北野のセンター曲ではある。「6th YEAR BIRTHDAY LIVE」を皮切りに、「真夏の全国ツアー2018」でも全公演で演じられてきた。しかし、北海道シリーズではセットリストに入れられなかったことからもわかるように、アンダーライブのアンセムにするような曲とはなっていない(なるべきだとも思わない)。

 ではどうしてここで「アンダー」なのか。2日目公演のMCで、北野はその疑問に答えるかのように、「急なんですが」と口を開いた。
 この曲について「どんな感情で歌えばいいか判らない」と言ったことがあるし、今も正解がどこにあるのかわかっていない。しかし、正解がないところがすごくいいと思う。この曲を大切に思っているし、これからも大切に歌いたいと思う――
 他でもない。北野自身にとって思い入れのある曲であるからこそ、セットリストに入れられたのである。

 答え合わせをするわけではないが、北野は「BUBKA」3月号の単独インタビューで、「アンダー」についてセットリストに入れるか入れないか、という話が出たことと、そこで自身が「入れたほうがいい」と言ったことを明かしている。「いつまでも自分の中でコンプレックスにするのはよくないから」と。

・「アンダー」の受け止め方

 「アンダー」は、メンバーの中で受け止め方が分かれてきた曲である。
 Wセンターに据えられた中元日芽香北野日奈子は、受け止め方に苦しんだメンバーの代表であろう。九州シリーズのMCで、中元は「自分の6年間を否定されたような気持ちになったこともあった」と(過去形で)吐露し、北野は「好んで歌いたくないと思っていた(が、ツアーを通して好きになった)」と語った。他にも、中田花奈にも似たようなエピソードがあったという記憶がある(が、詳細を思い出せない)。
 一方で、伊藤かりんは一貫して「この曲をポジティブにとらえている」と語っている。川村真洋が「そんなに暗い気持ちで歌いたくなかったので、たまに少し微笑むようにしていた」とインタビューで答えていたことも、筆者にとっては印象深い。伊藤純奈にもこうしたニュアンスの発言があったような記憶がある(が、こちらも詳細を思い出せない)。
 また、北野の「BUBKA」3月号での「いつまでも自分の中でコンプレックスにするのはよくない」という発言からは、九州シリーズでのMCでは「ツアーを通して好きになった」とも語ったものの、今回の関東シリーズに至ってもなお「コンプレックス」が残る部分があったということを読み取ることもできる。「正解がない」という自身の言葉の通り、北野のなかでもこの曲に対する評価や感情は変遷がみられるともいえる。

 一方で、ファンの評価は厳しいものが多かったと言わざるを得ない。「真夏の全国ツアー2017」の演出(と、北野の涙のパフォーマンス)が炎上状態を招いたことはいまでも記憶に残っているし、個人的なつながりのあるファンの発言やインターネット上の観測範囲においても、辛辣な評価が並べられることが多かったようにも思う。あえて悪しざまにいえば「中元と北野の心を折った曲」と評価している人も多いのではないだろうか。
 だが、筆者はこの曲がどうしても好きだった。好きという言い方が正しくなくても、ここまで惹きつけられた曲は他にない。確かに「美しいのはポジションじゃない」とまで踏み込んだことにはさすがに当初少し戸惑ったものの、ストレートな歌詞も美麗なメロディも好きだった。
 それゆえに「アンダー」という曲を、なんとか肯定しようと試みて書いたのが、前稿の「アンダーライブ全国ツアー 九州シリーズによせて」だったようにも思う。しかし、それは孤独で苦しい戦いだった。前稿でも書いたところだが、メンバーが受け入れられるものでなければ好きであることは難しい、と感じて気持ちが遠ざかりそうになったこともあった。九州シリーズのMCでのメンバーからの前向きな発言を受けて胸のつかえがとれたとも書いたが、メンバーの本心がどこにあったとしても、ステージに立てばあのような発言になるだろうという後ろ向きな気持ちも心のどこかからは捨てきれなかった。

・想い抜くことの重み

 そんな葛藤を続けるなか、「真夏の全国ツアー2018」千秋楽を控えて発信されたのが、北野からの1通のモバイルメールだった。モバイルメールの性質上、そのまま引用するようなことは避けるが、「アンダー」について想うたびに、この曲に重みや気持ちとストーリーが増していく、というような内容が含まれていた。
 これは「正解がないところがすごくいい」という、関東シリーズのMCでの発言につながる。「BUBKA」3月号でも、「『アンダー』についてよく考えることがあるが、どれだけ考えても正解が出ない」「正解も不正解もないんじゃないかと思うようになった」「そこが『アンダー』のいいところなのかなって」と語っている。戸惑いから始まり、いくら考えても答えは出ず、しかし考えれば考えるほど曲の重みが増していく。北野がそう表現した「アンダー」のありようは、筆者自身の葛藤にも重なってくるように思えた。

 だから筆者はいま、北野自身の言葉である「正解がないところがすごくいい」という言葉を信頼して、改めて「アンダー」に臨んでいこうと考えている。たぶん筆者自身は、前述のような葛藤こそあれ、「アンダー」を肯定しようと心の中で戦い続けることになると思う。たどり着くべき正解も終わりもない孤独な戦いになるはずだ。ただしそれは、「アンダー」を受け入れることのできないという意見と戦うということではない。「正解がない」のだから、そうした意見も否定することはできないのだと思う。
 ただし、曲をそれぞれのあり方で受け止めて、ステージに立つメンバーのことだけは、ファンとして肯定していなければならないとも思う。自ら葛藤することも、メンバーの葛藤に目が行くこともあるが、メンバーが見せてくれる風景を第一に大切にしたい。改めて、そう思う。

・これからの「アンダー」

 一方で、これも何かあるたびに考えることだが、「アンダー」は当面披露される機会はないのではないかとも思う。今月に控える「7th YEAR BIRTHDAY LIVE」ではセンターに北野を置いて改めて披露されるかもしれないが、それ以降、北野の選抜復帰も期待されるなかで、「アンダー」がどうなっていくのかは不透明であるといえるだろう。今回の関東シリーズでの披露についても、座長である北野の選択に任された部分があったのである。
 北野のいない「アンダー」は、もはやなかなか想像しづらい。選抜メンバーとして「アンダー」を歌うこともまた違うだろう。他にセンターを立てるとしてもなかなかに重すぎるかもしれない。中元・北野が両方欠席したときのようなセンターのいないフォーメーションも考えられるが、そこまでして披露するほどの曲であろうか。

 だからこれからの「アンダー」がどのようになっていくかは、わからない。この曲が好きな筆者としては、たまにライブで披露してくれればいいなとも思うし、封印のような形になるのは寂しい。でも、そうなるかもしれない。そうなってもならなくても、さらなる時間の経過とともに、ストーリーが重くなっていく曲だと思う。
 ファンとしては見守ることしかできないが、しかししっかりと見守り続けていきたいと思う。それがこの曲と向き合うということになるのだろうから。

欅共和国2017の円盤が最高だったけど

 多少なりとも今更感のある記事だが、欅共和国2017のBlu-ray、本当に良かった。
 でも、両日現地で参加した筆者にとっては、映像に残らなかったところにも覚えておきたいことがたくさんある。メモ書き代わりに、思いつくままに書きつけてみたい。

・「欅共和国」って何だよ、って雰囲気が当初はけっこうあった

 織田奈那と志田愛佳SHOWROOMでネーミングが発表されたときに、彼女らともども我々も「マジかよなんだそれ」みたいな雰囲気がけっこうあった。今にして思えばメンバーも振り入れなどを始める前だったようだし、あそこまで世界観を作り込むとは誰も知らなかったわけである。コンセプトの設定に平手友梨奈が大きくかかわっていたということもどこまでメンバーに浸透していたのだろうか。誰もが「どうなるんだろう」と思いながらの「初野外ワンマン」だったということを記憶している。

・チケットはめちゃくちゃ取れた

 信じられないほどチケットは取りやすかった。少なくともマネパカード先行であればおそらく全員当選のレベルだったのではないかと思われる。両日ともに当日券も出た。ちなみに最初の先行抽選の際には全国ツアーの開催は明かされていなかったし、そこと需要が食い合ったわけでもない。マネパカード先行は「1st ANNIVERSARY LIVE」の際も行われていたが、もう少し落選は出ていたのではないかと思う。当時は有明コロシアムでの初ワンマンライブで一般のステージサイド/モニター観覧席まで粘った記憶が強かったので、拍子抜けするほどであった。
 ただ、富士急近辺の宿はとれなかった。SHOWROOMの放送がまだ終わっていないうちに初日夜の宿をとろうとトライしたがドミトリーしかとれず、欅ファンばかりの6人部屋でおっさんのいびきを聞きながら寝たのをよく覚えている。

・「アルバムの発売を記念する」位置づけだった

 そもそもは「1stアルバム発売を記念した初野外ワンマン」という位置づけだった。結局すぐに初のアリーナツアーが発表されてよくわからないことになったが、そう謳われていたはずである(開催発表のSHOWROOM)。当日はアルバム発売から数日と間もなかったが、それなり以上にはアルバム曲もやるのではないかという予測が、少なくとも個人的にはあった。結局は2日目のダブルアンコールで「危なっかしい計画」が披露されたわけだが、初日を終えた後は「せめて『月曜日の朝、スカートを切られた』くらいはやれなかったのか」と思っていた覚えがある(「月スカ」はすでに、音楽番組で披露されていた)。
 そんなわけで、個人的には初日は席が悪かったこともあり、「アルバム曲が来ない!」という思いばかりを抱えてライブを見届けていた覚えがある(アンコールの「誰のことを一番 愛してる?」は死ぬほどテンションが上がったが)。2日目にしてようやく「そういうライブなのだ」と理解して楽しむことができるようになり、花道近くの席で渡邉理佐からの放水を直に受けるなどの幸運にも恵まれ、評価がガラッと変わったライブだったように思う。

・ダブアンはまあまあの人数が帰っていた

 欅共和国2017の2日目は、欅坂46にとって初のダブルアンコールだった。そのこともあってか、アンコール3曲目の「W-KEYAKIZAKAの詩」の途中で帰ってしまった人がまあまあいたと記憶する。まあ日曜夜の富士急ハイランドならば仕方のないことだとも思う。1本でも早い富士急行線に乗れれば帰宅時間が段違いだろうし、混み具合も天と地ほどの差であろう。出口も限られ、退場にもかなりの時間がかかっていたはずだ。  筆者はというと、初日の感じを見て富士急行線で帰宅するのを諦め、当日申し込みの高速バスを予約していた。新宿行きは売り切れてしまっており、背に腹はかえられまいと立川行きを買ったことをよく覚えている。特典のステッカーも貰えたし、安心して最後まで楽しめたし、両隣の席が空いたので「危なっかしい計画」で信じられないほど飛び跳ねまくったこともあって、とても良い選択だったように思う。

・米谷、今泉の不参加発表は当日だった

 これは割と参加したファンが怒っていたポイントだったように思う。「1st ANNIVERSARY LIVE」以来の大きなライブということで今泉佑唯がなんらかの形で復帰してくれることを願っていたファンも多かったと思うし、米谷奈々未が不参加となることは誰も予想できなかったのではないだろうか。円盤の特典映像を見るに、当然ふたりは欠席するものとして準備がされていたことがわかるし、特に米谷推しにとってはもう少し早めに知っておきたかった情報だったのではないかと思う。筆者がふたりの不参加の発表を目にしたのは初日に宿にチェックインしてからで、こんなタイミングってあるかよ、と率直に思った覚えがある。このふたりは現在卒業を発表してそのタイミングを控えており、このままいくとこのふたりの参加したライブが映像作品化されないことになることは、とても残念でならない(「2nd YEAR ANNIVERSARY LIVE」の映像化に期待するしかないが、望み薄ではないか)。

平手友梨奈は絶好調だった

 改めて述べる必要もなく話題になっているのかもしれないが、平手友梨奈が最初で最後と言っていいほどの絶好調ぶりを見せていた。そもそも平手は、「デビューカウントダウンライブ」後にテレビカメラに語っていたように、「最高のパフォーマンスをしたい」「(パフォーマンスに)納得していれば自然に涙は出ている」という考え方の持ち主で、有明での初ワンマンライブや「1st ANNIVERSARY LIVE」のアンコールの際にはどこか暗い表情でうつむいていた(筆者はこれを「反省会モード」と呼んでいた、有明でのラストは涙していたが)。「二人セゾン」期にキャプテン制を敷かれて以降、ミニライブも含めて平手がMCで声を発することもなくなっていたが(「苦手なので他のメンバーに任せている」と「しゃべくり007」で話していたのは記憶に新しい)、欅共和国2017のアンコールでは今では信じられないほど喋っていた(次にMCで口を開いたのは欅共和国2018の最終日である)。ライブを終えたあとに「みんな大好きだよ」と言って泣いたというエピソードは有名だが、たぶんこの欅共和国2017は平手にとって少なくとも指折りの、自分を出し切れたパフォーマンスだったのだと思う。

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 とりあえずはこんなところだ。そのうち少しまた書き足すかもしれない。

北野日奈子の姿に「希望」を見て

 とても個人的な話をしたい。
 少しの紆余曲折を経て北野日奈子のことを推している、筆者自身の身の上と心中の話である。
 もしかしたら、読んで不快になってしまう人もいるかもしれないとも思う。誰に向けて書きたい文章なのかも、いつも以上にわからない。でも書かずにはいられなかった。
 なんの嘘偽りも誇張もなく、いまの僕は北野日奈子に支えられて生きているのだ。そのことをいま、書きたい。

・なぜ僕は北野推しになったか

 北野日奈子のことは、乃木坂46を追いかけ始めた頃から結構好きだった。どちらかというと僕は、「きれいなお姉さん集団」としての乃木坂46の中心メンバーというよりは、そのイメージから少し外れるメンバーを好きになる傾向がある。推しメンとしては川村真洋を掲げていたが(→「ろってぃーのこと」)、僕にとって初めての乃木坂46のライブだった「Merry Xmas Show 2016~選抜単独公演~」のときに、当時の選抜メンバー19人のうちの誰かの推しタオルを買おうとして、選んだのが北野日奈子だった。
 テレビ番組のなかで、フライパンを曲げたり、漫画雑誌を破いたりしている元気印の「きいちゃん」が、単純にかわいくて好きだった。その頃は、それ以上でも以下でもなかった。あるいは以前にも書いた(→「アンダーライブ全国ツアー 九州シリーズによせて(1)」)ように、14thシングル期から少しずつ乃木坂46を知っていった僕にとって、北野日奈子はしばらくずっと選抜メンバーだった。何のけれんみもなく、彼女のことを目で追っていたにすぎなかった。

・「アンダー」と九州シリーズ

 転機となったのは、2017年夏だろう。このブログを始めるきっかけともなった前稿「アンダーライブ全国ツアー 九州シリーズによせて」で書き続けてきたように、「アンダー」でのアンダーセンター選出、ライブでの異変と体調不良での欠席、やっと上がった九州シリーズのステージ、東京ドーム公演と休養入り、と、北野にとって厳しい時間が続いた。北野日奈子中元日芽香のことを、特別な思いで追うようになったのがこの頃である。
 好きだから追いかけているのか、心配だから追いかけているのか、正直なところわからなかった。そんな時間のなかで、中元と川村が卒業して、宙ぶらりんになった僕は、北野のことを思うしかなかった。そしてサプライズで登場した乃木坂46時間TV、ステージに復帰した生駒里奈卒業コンサート。3期でいえば向井葉月のことを応援してもいるが、ひとりまた推しメンを決めるならば、北野日奈子しかない、と思うようになった。

・自らが体調を崩して

 ここからきわめて個人的な話になる。そう思うようになって間もない2018年5月、僕は「体調不良」に陥った。ずっと前から予兆はあったし、自らの生活に鑑みても、いつかそうなってもおかしくないと思っていた部分もあった。その危惧はふとしたきっかけで現実のものとなってしまった。
 こんなことを書いてはいけないと思うし、考えてもいけないと思うが、僕の「体調不良」は、北野日奈子の「体調不良」と重なるものなのではないかと思っている。だめだとわかっていても、そう考えることをやめることができない。偶像としての「アイドル」に、自らの身の上を投影してしまっているだけなのかもしれない。それはどこまでも迷惑で失礼なことかもしれない。でも、ひとたび生まれた考えを拭い去ることができないのだ。
 「体調不良」に陥った僕は、1ヶ月間の通院期間を経ても改善がみられず、3ヶ月にわたって仕事を休むことになった。3ヶ月で戻ることができたら、きいちゃんよりは少しだけ短いのかな、なんて考えている自分もいた。

・復職をした僕と、走り始めたきいちゃん

 3ヶ月を経てどうにか復職をして、3週間が経過した。完全によくなった、これでいける、と思うところまで体調をもっていっての復職だったが、思ったよりもダメだった。仕事をいくらか軽くしてもらっていることもあって、休職前と今とどちらが体調がいいかさえ、正直よくわからなくなってしまっている。とはいえあれ以上休んだところであれ以上の回復はなかったと思うから、きっと一度体調を崩して失われてしまったものは、もう戻ってこないのではないか。そんなふうに不安になる気持ちも強い。
 しかし、北野日奈子は少しずつ前進を続けている。神宮でのバースデーライブで完全な形でライブに復帰してセンターにも立ち、21stシングルでは歌唱メンバーにも復帰。真夏の全国ツアーも完走して、「乃木のの」や「乃木坂工事中」にも復帰、握手会にも参加するなど、確実な回復を見せている。それが僕にとって、ひとつの希望となっている。
 先日、10月1日付けのブログには、こんなことを書いていた。

全国ツアーを全公演無事に完走して
少しだけかもしれないけど
ちょっとずつできている自分を確認できた夏でした!

苦手なことが増えたけど
上手なことも増えて
22歳の私は引いたり足したり
そんな感じでできています!

 結局のところ、できることをひとつひとつ増やしながら回復していくしかないし、生きていくしかないのだ。
 しかしそれは、そうやって「生きていくことができる」ということでもある。

 僕はアイドルについては、おおむね楽しみつつ「応援してきた」つもりだった。趣味のひとつの範囲をこえて、こんなに支えられ、何かを教えられることがあるとは思わなかった。

・そしてこれから

 先日行われたアンダーライブ全国ツアー北海道シリーズの千秋楽では、12月に東京で22ndアンダーメンバーによるアンダーライブが行われること、そしてそのセンターを北野日奈子が務めるということが発表された。選抜入りはかなわなかったものの、とても大きなグッドニュースである。
 ブログからうかがい知ることもできるように、体調面の不安もまだありはするのだろう。でも、不安はいつまでも不安として残り、それを打ち消すためには、日々のひとつひとつを重ねていくことしかないのだろう。体調不良に明確なはじまりがなかったように、回復にも明確な区切りはないのだと思う。
 これからも引き続き、北野日奈子の活躍を見守っていきたい。北野日奈子を希望の光として、いつまでもそのあとに続いていける自分でありたい。彼女のように、たとえそれが険しい道でも、一歩一歩前に進んでいきたい。

 大げさかもしれないが、これが今日の僕の本心だ。

坂道「センター」論考

 少し時間が経ってしまったが、以前Twitter経由で質問箱から、このブログのお題として、「漢字とひらがなにとってのセンターが持つ意味合いの違い」「ひらがなのセンターの変遷」という2点をいただいた。本稿ではこの2点について、乃木坂46の事例も交えながら考えていきたい。

・「センター」のもつ三つの役割

 一般に「センター」というポジションには、大きく分けて三つの役割がありうると考えている。
 1点目は、「グループの顔として前面に立つ」ことである。
 センターポジションを得たメンバーは、パフォーマンスの際に「ゼロ番」に立つのはもちろん、歌番組などの出演の際にはコメントを求められ、雑誌などでもインタビューが組まれやすい。必然的にグループの顔となり、認知度も高まっていくことになる。
 2点目は、「『誰がセンターに立つか』というストーリーを背負う」ことである。
 上述の1点目が外向きの役割であれば、こちらは内向きの役割であるともいえる。センターになるということは、形はさまざまあれ「選ばれる」ことである。グループアイドルの活動が必然的にはらむストーリー性の中心ともなることが、役割の一つにもなってくる。
 3点目は、「センター曲のイメージを形成する」ことである。
 こちらはパフォーマンスに関してもつ役割である。センターはグループ内での役職ではなく、特定のシングルまたは曲に対応して選ばれるポジションである。個々の曲はグループのカラーを反映し、同時にそれを形作るが、それはセンターメンバー個人に対しても同じことがいえる。

 そしてこの三つの役割は、つねに均質に存在しているのではない。これらがどのようなバランスで担われているかによって、グループの特色や、センターメンバー個人の特性が表れてくるのである。

乃木坂46における事例

 この三つの役割に関して、そのバランスがさまざまであることを説明するために、いくつか例を挙げてみたい。
 乃木坂46草創期の生駒里奈は、1点目の役割の強いセンターであった。「AKB48の公式ライバル」と銘打たれ、メディア露出がパフォーマンスに先行する部分もあるなかで、常に先頭に立ち「乃木坂の顔」を務めてきた。一方で、グループとしてセンターの交代を一度も経験していないなかで、当時は2点目の役割は薄かったともいえる。ある意味で乃木坂46生駒里奈と一体化しながら坂を上り始めていたのである。
 ただ、「誰がセンターに立つか」というストーリーを強調しようという試みもあった。いまとなっては悪趣味すぎるようにも思える選抜発表の数々である。AKBグループが選抜総選挙などの舞台装置を数多くもっていたなかで、乃木坂46の選抜発表が過剰に強調されていた面があったようにも思う。
 また、生駒里奈はデビューから5枚連続のシングルでセンターを務める中で、3点目の役割も徐々に強めていった。わかりやすい例が彼女の代名詞である「制服のマネキン」である。シングルの枚数を重ね、グループの色が確立していくにしたがって、センターの個性も発揮しやすくなるといえるかもしれない。

 その後の時期の乃木坂46においては、頻繁にセンターの交代がなされ、2点目の役割も少しずつ強まっていく。特に研究生から突如としてセンターに指名された堀未央奈は、ストーリー性の強いセンターメンバーの筆頭である。また、比較的近年には深川麻衣橋本奈々未の「卒業センター」や、3期生として初選抜で抜擢された大園桃子与田祐希などもおり、センターメンバーの指名は完全にグループとしてのストーリーの中心に据えられるようにもなっている。
 このような経緯を経て、現在の乃木坂46は、前述の三つの役割をそれぞれバランスよく担うセンターを備えたグループとなってきたといえるように思う。というより、そもそもこの「三つの役割」というのも、乃木坂46の歴史をみながら構想したものだ。

漢字欅ひらがなけやき

 さて、本題である漢字欅ひらがなけやきのセンターについて、この「三つの役割」から分析していきたい。乃木坂46も含め、グループの特徴がそれぞれよく現れるのではないだろうか。

 漢字欅のセンターは(つまりは平手友梨奈ということになるが)、3点目の役割が最初から強いことに特徴がある。「サイレントマジョリティー」での鮮烈なデビューは、平手友梨奈のあの強い眼差しがあってこそだったであろう。以降も少しずつ形を変えながら、平手が曲のイメージを先頭で形作っていることには変わりない。
 センターを変えていないことから、2点目の役割は少し弱いともいえるが、「センターメンバーは変わっていくもの」という文脈がある中で、デビューから一貫してセンターを平手友梨奈が務めていることは、逆説的なストーリーを形成しているともいえる。
 1点目の役割に関しては少々独特である。「センター・平手友梨奈」の認知度や存在感は申し分ないが、本人がトークなどを得意としていないことなどもあり、菅井友香や長濱ねるを中心に負担軽減がはかられているという形である。

 ひらがなけやきのセンターに関しては、単独アルバム発売以降、1点目の役割がある程度あらわれるようになってきたといえる。徐々に増えつつある音楽番組などへの出演の際、佐々木美玲加藤史帆がコメントを求められる場面をよく見るようになってきた。
 2点目の役割については、意図的に弱めているようにも思える。ひらがなけやきオリジナル曲に関しても、2017年全国ツアーでの漢字欅カバー曲に関しても、特段のアナウンスなくセンターが流動的に変わり続けている。過剰にストーリーを押し出すことなく、「静かにセンターが変わる」ことが強みをなしているということは、前稿「ひらがなけやき、アイデンティティの淵源。」でも書いたとおりである。
 3点目の役割については、徐々に現れるようになってきたといえるように思う。漢字欅ほどの強烈さはないが、乃木坂46に近いバランスになっているのではないだろうか。個別の事例については、次段にて時系列順に振り返っていくことにしたい。

ひらがなけやき歴代センターを振り返る

 続いて、もうひとつの本題であるひらがなけやきのセンターの変遷について振り返ってみたい。

 ひらがなけやきにとっての「センター」は、少し曖昧な形で始まったといえるように思う。
 初期の「ひらがなけやき」「誰よりも高く跳べ!」では長濱ねると柿崎芽実のWセンターのような形であったが、長濱が前に出てくる場面もいくらかみられた。1期生による「ひらがなおもてなし会」で披露された「サイレントマジョリティー」と「世界には愛しかない」でも、長濱がセンターを務めた。
 しかし、こうしたパフォーマンス上でのポジション以外で「センター」として長濱が押し出されていたかと言われると、意外なほどそうではなかったという印象がある。他のメンバーと横並びで自己紹介もしていたし、「ひらがなおもてなし会」では「放送部」としてMCを引っ張ったものの、それ以後はその役割も佐々木久美に移っていた。
 また、Wセンターとして長濱と並ぶ場面もあった柿崎芽実も、それ以外で特段前に出てくる場面はなかったように思う(「ひらがなおもてなし会」での「世界には愛しかない」でポエトリーのパートがあったくらいだろうか)。筆者の肌感覚としては、SHOWROOM審査を通していくらか人気が先行していたメンバーだったようにも思われるが、そうしたメンバーが「推される」構造を極力つくらないようにしていたともとれ、そう思うと好感が持てる。
 続く「僕たちは付き合っている」「永遠の白線」は長濱が単独センターの形だったが、センターポジションをクローズアップするような場面はさらに少なく、特に「永遠の白線」では全員がそれぞれ自分のポーズをとるパフォーマンスが振り付けとして定着する。

 一方で、「僕たちは付き合っている」の時期に始まったひらがなけやきの全国ツアーでは、「世界には愛しかない」の影山優佳、「二人セゾン」の柿崎芽実井口眞緒、「制服と太陽」の加藤史帆、「語るなら未来を…」の齊藤京子など、特に漢字欅の曲をカバーする場面で、数々のメンバーがセンターポジションに立つことになった。
 筆者個人としては、この時期に多くのメンバーがセンターでのパフォーマンスを経験したことが、ひらがなけやき1期のメンバーを強くしたと考えている。

・転機、長濱ねるの兼任解除

 そして、やはり転機として挙げなければならないのは、長濱ねるの兼任解除だろう。強く押し出されてはいなかったとはいえ、センターに立ち続けてきた長濱の離脱は大きく、センターの変遷という意味でもこれがひとつの潮目となる。「それでも歩いてる」の齊藤京子は、ひらがなけやきの、ある意味では「初代センター」と言えるかもしれない。
 齊藤は、歌でもダンスでも初期からグループを引っ張ってきたメンバーである。「それでも歩いてる」でも、冒頭のソロパートの歌声が印象的に映る。そして2期生が合流した「NO WAR in the future」でも、センターが明確な曲ではないが、それに準じるポジションを得たと言っていい。20人となったひらがなけやきは、齊藤京子を先頭に坂を上り始めたのである。

 それに続いたのが、佐々木美玲だった。日本武道館公演で「イマニミテイロ」が初披露され、センターに立つ彼女の姿を見たとき、非常に感慨深い思いだったことを覚えている。ひらがなけやき加入前の話は措くとしても、佐々木美玲はパフォーマンスに優れたメンバーであるにもかかわらず、ポジションは2列目の端が多く、2017年の全国ツアーでもセンター曲を得ることはなかった。退場が最後になるためにライブの最後でお辞儀をする姿を見てきたことの印象も強い。そこからの、日本武道館でのセンターデビューである。
 結果として、その日本武道館公演で発表された単独アルバム「走り出す瞬間」では、リード曲の「期待していない自分」をはじめ、全員曲や1期生曲でもセンターポジションに立ち、ソロ曲「わずかな光」も得ることになった。単独での音楽番組出演も始まったこの時期にセンターとなったことは、彼女にとっても大きいことだっただろう。

・最新曲「ハッピーオーラ」、そして

 しかしそれでもセンターが固定されることはなく、最新曲「ハッピーオーラ」では加藤史帆がセンターを務めている。「ひらがな推し」では初めてフォーメーション発表もなされた。これでアルバムでソロ曲を得た3人が全員センターポジションを経験したことにもなり、この3人のパフォーマンスへの信頼感のようなものも透けて見える。
 長濱がグループを離れてから現在に至るまでのこの時期に、本稿前半で述べたセンター3点目の役割、「センター曲のイメージを形成する」ことが明確になってきたと筆者は考えている。
 渋い曲調の「それでも歩いてる」を特徴的な声で歌い上げた齊藤京子、「期待していない自分」のパフォーマンスを凜々しく走り抜けた佐々木美玲、グループのモットーの「ハッピーオーラ」を体現した満開の笑顔の加藤史帆、と並べてみると、3曲ともセンターの色がきちんと出ているように思うのだ。

 そしてもうひとり、2期生曲「半分の記憶」「未熟な怒り」「最前列へ」でセンターを務めている小坂菜緒のことも忘れてはならない。2期生による「おもてなし会」のミニライブでも全曲でセンターを務め、「2期生のセンター」としてここまでは定着してきたといえるだろう。「ハッピーオーラ」では渡邉美穂とともにセンターの脇を固めており、「ひらがなけやきのセンター」になっていくことも期待される。

 筆者個人の考えを述べるならば、これからもシングルごとくらいのスパンで、センターを変え続けていってほしいと思う。ひょっとすると単独シングルの発売も今後あるかもしれないし、そうなればセンターメンバーの重要性もより増してくるだろう。それでも特定のメンバーにこだわることなくセンターを変えて、いろいろな色をグループとして見せてほしいと思う。

ひらがなけやき、アイデンティティの淵源。(6)

・2期生「おもてなし会」、継承と発展

 2018年2月12日、ひらがなけやき2期生による「おもてなし会」が幕張メッセイベントホールで開催された。1期生による「ひらがなおもてなし会」が赤坂BLITZでのスタンディング形式であったことを考えると、1年半も経たないうちにこれだけ舞台が大きくなったのかと驚きを禁じ得なかったことを覚えている。
 しかし、舞台は大きくなっても「おもてなし会」の伝統はきちんと継承されていた。演目のめくり台、「部活」に分かれての個性豊かなパフォーマンス、そしてミニライブ。さらに人数規模から難しいだろうという予測もあった終演後のお見送りも実現しており、まさしく「おもてなし」であった。

 ひらがなけやきとしての曲数が増えてきたこともあってか、ミニライブはアンコール付きの全8曲と非常に豪華だった。2期生曲はまだないタイミングではあったが、「ひらがなけやき」「僕たちは付き合っている」「それでも歩いてる」「永遠の白線」「誰よりも高く跳べ!」と、発売済の1期生曲をすべてカバーして披露し、「NO WAR in the future」も9人バージョンで披露するという意欲的なセットリストであった。
 加えて日本武道館公演で披露された「おいでシャンプー」も再び披露されたが、一方で「君の名は希望」「制服のマネキン」は披露されなかった。少し中途半端にも思える選曲だが、最もひらがなけやきの雰囲気に近い曲を選んだのだろうか。もしかしたら日本武道館公演が予定通り1公演であれば、そこで披露されたのは「おいでシャンプー」だった、ということなのかもしれない。
 ちなみにアンコールで披露されたのは「W-KEYAKIZAKAの詩」だったが、2018年8月現在でこのときが最後のライブでの披露となっている。

・独立路線へ「走り出す瞬間」

 これ以降は、ここでは簡単に振り返っていくのみにとどめたい。
 「おもてなし会」を経て、2期生もひらがなけやきに本格合流という形となった。4月からは冠番組「ひらがな推し」がスタート、4月20日~5月6日には全員での舞台「あゆみ」が上演され、一気に漢字欅と並び立つような独立路線が強まっていく。
 そして6月から7月には東名阪での「走り出す瞬間」ツアーが開催、この期間中の6月20日に単独アルバム「走り出す瞬間」も発売され、単独での音楽番組出演も複数あった。ツアーのセットリストからは漢字欅の曲は完全に消え、遅ればせながらようやく独立したグループとしてライブを開催したような形となった。
 しかし、これまでの期間が彼女らにとってまわり道だったかと問われれば、決してそんなことはないと思う。「誰よりも高く跳べ!」をはじめとする少ない持ち曲を1年以上をかけて育てながら、パフォーマンスを磨いてきたのである。
 本稿執筆現在、「坂道合同新規メンバーオーディション」の最終選考が終了し、配属グループの発表を待つという段階にある。グループへの合流までにはもう少し時間があるだろうが、さらに人数が増え、パワーアップしたあかつきには、単独シングルの発売も期待される。走り出したばかりのひらがなけやきのこれからを、引き続き応援していきたいところだ。

・「ひらがな」というアイデンティティ

 ひらがなけやきとは何か。何がどうひらがななのか。ひらがなだから何なのか。
 漢字欅とどう違うのかという答えは明確になってきたが、「なぜ“ひらがなけやき”でなければならなかったのか」という問いには、いつまでも答えが出ない。
 しかし「ひらがなであること」は、彼女らのひとつのよりどころとなっている。
 ここまで振り返ってきた単独公演はどれも、「ひらがなけやき」「ひらがなで恋したい」で1曲目が始められている。唯一の例外であるのが1期生の「ひらがなおもてなし会」のミニライブで(1曲目は「サイレントマジョリティー」)、彼女らは初ワンマンであるZepp Tokyo公演以降、とにかく「ひらがな」を全面に押し出してライブを重ねてきたのである。

 確かなのは、ひらがなけやきのメンバーたちがそこにいることであり、彼女らが「ひらがなであること」にもはや一片の疑いも持っていないことだ。円陣の最後や、多くの振り付けにも使用されている「ひらがなポーズ」も、その象徴である。
 「ひらがなけやき」というよくわからない何ものかを、自らのアイデンティティとしている。その内実にあるのは、彼女らの努力にほかならないのではないだろうか。